【2024ふくしま衆院選】直前情勢 福島県内選挙区 新3区 県南で浸透躍起 会津地盤各陣営 裏金影響どこまで
◆立候補予定者 菅家 一郎 69 自民 現 小熊 慎司 56 立民 現 唐橋 則男 63 共産 新 福島県の会津地方と県南地方の白河市、西白河郡、東白川郡が一つになった新3区は、有権者数は県内選挙区で最少だが県の約半分の面積を占める広大な選挙区だ。自民党の現職菅家一郎(69)と立憲民主党の現職小熊慎司(56)、共産党の新人唐橋則男(63)が立候補を予定している。いずれも会津地方が地盤で、県南地方での浸透に躍起になっている。ただ、石破茂首相が自民党派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載があった自民議員の比例重複を認めない方針を示したことで各地の情勢は今後一変する可能性があり、新3区も例外ではない。 ◇ ◇ 自民党の菅家一郎は7日、臨時国会に臨んだ。石破首相は前日、政治資金収支報告書に不記載のあった自民議員の比例重複は認めないと表明。菅家は「小選挙区で勝つしかない」と気を引き締める。
前回は会津地方が中心の旧4区で立憲民主党の小熊慎司に苦杯をなめた。新たな区割りとなる今回、旧3区の県南地方が地盤の現職上杉謙太郎(49)と「二人三脚」で県南地方に攻め入る。上杉は前回、旧3区で立憲民主党の現職玄葉光一郎(60)に敗れたが、県南地方だけを見れば玄葉の票を上回った。陣営は県南の上杉の支持者をしっかり固めるのに力を注ぐ。市町村単位の後援組織を整えた。 比例代表に回る上杉にとっても菅家と協調した動きは比例票を積み重ねるのに利点がある。3区選対本部長に就任予定の上杉は「政治資金改革を誠実に訴え、菅家の当選を果たす」と闘志を燃やす。 政治資金収支報告書の不記載を受けた党本部の対応は近く正式に決まる見通しだ。不記載で菅家が受けた党役職停止6カ月の処分は4日付で明けたが、党の決定が選挙戦にどう影響するかは見通せず、陣営は動向を注視する。後援会幹部は「(これまでの経緯を)有権者に丁寧に説明していくことが重要だ」と話す。