特集「キャッチ」誰かと一緒に食事ができない「会食恐怖症」を知ってほしい 仕事や交友関係に影響も 給食で“心の傷” 福岡
ことし1月、福岡県直方市で保育士らを対象にした講演会が開かれました。 ■日本会食恐怖症克服支援協会・山口健太 代表理事 「『会食恐怖症』を聞いたことがある人?全然いない、なるほど。」 講演したのは、会食恐怖症の克服支援活動をしている山口健太さんです。自身も過去に会食恐怖症を経験しています。 ■山口 代表理事 「(野球部の)合宿で”食トレ”と称して、ノルマの量のご飯を食べないといけないという指導があった。その量を食べることができなくて、先生からみんなの前でめちゃくちゃ怒られた。次の食事の時に、『また食べられなくて怒られたらどうしよう』というふうに自然と思うようになった。」 高校生の時に発症し、食事の時間となると、吐き気や食べ物を飲み込めないといった症状が出ました。 その後、飲食店のアルバイト先でまかないを「無理して食べなくていい」と言われたことをきっかけに少しずつ改善し、克服していったといいます。
その経験をもとに山口さんが考えたのは「食べなくてもいいカフェ」です。 利用者はスタッフも含め、全員が「会食恐怖症」の当事者や家族です。悩みなどを打ち明ける場として東京や大阪で広がっています。 ■山口 代表理事 「自分自身が食べられなかった時に何が1番つらかったかというと、やっぱり理解されなかったこと。理解されないことで孤独感が強かったので、そういう人のために何かできないかなと。」 カフェはあえて「食べなくてもいい」とすることで安心感を与え、利用者のハードルを下げています。 ことし3月からは、福岡でも月に1回「食べなくてもいいカフェ」が開かれています。そこには、ゆうやさんの姿もありました。 ■ゆうやさん(仮名) 「楽しかったですよ。良かったと思います。」 ■食べなくてもいいカフェ九州 スタッフ 「“あるある話”とかが中心になっていました。」
いま、給食の現場も変わりつつあります。 ■子どもたち 「いただきます。」 ■先生 「どうしても苦手なものがある人は言ってください。」 ■子ども 「ブロッコリー。」 ■先生 「ブロッコリー1個減らそう。」 「(野菜を)半分くらい?これくらいでいいですか?」