エヌビディア製AI半導体買わないで、中国が国内企業に指示-関係者
(ブルームバーグ): 中国当局は人工知能(AI)半導体を巡り、米エヌビディア製ではなく中国産の製品を購入するよう国内企業への圧力を強めている。国内の半導体業界を拡大させ、米国の制裁措置に対抗する取り組みの一環。
事情に詳しい複数の関係者によれば、中国当局は国内企業に対し、エヌビディアの半導体「H20」の購入を控えるよう求めている。H20はAIモデルの開発と実行に利用される。当局の指示は購入の全面禁止ではなく、指針の形にとどまっていると関係者らは語った。中国としては自国のAIスタートアップ企業を不利にすることも、米国との緊張を高めることも回避したいと考えているという。
関係者によれば、今回の動きは、中国のAI半導体メーカーの市場シェア拡大を支援するのと同時に、国内のテクノロジー企業が米国の追加の規制に備えられるようにすることを目的としている。同国のAIプロセッサーの主要メーカーには、中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)や華為技術(ファーウェイ)などがある。
中国政府は今年に入り、重要な技術における自給自足を目指す取り組みの一環として、国内の電気自動車(EV)メーカーにも中国の半導体メーカーからの部品調達を増やすよう指示していた。
中国政府、EVメーカーに国産半導体の購入拡大を指示-関係者
ブルームバーグの報道後、27日の米株式市場でエヌビディア株は一時3.9%安の119.26ドルまで下落した。
米政府は2022年、中国の技術的進歩を制限する試みの一環として、エヌビディアが中国の顧客に同社最先端のAIプロセッサーを販売することを禁止した。エヌビディアは米商務省の規制の下で販売できるよう、その後のAI半導体のバージョンを修正した。H20シリーズはその基準に適合している。
エヌビディアはコメントを控えた。中国商務省、工業情報省、国家インターネット情報弁公室(CAC)は、ファクスで送信したコメント要請に返答していない。