いすゞ、新開発のバッテリ交換式ステーションとEV車両で社内実証実験開始
いすゞ自動車は10月31日、同社藤沢工場(神奈川県藤沢市)において、10月よりバッテリ交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」の社内実証実験を開始したと発表した。 EVision Cycle Conceptは、2023年の「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」で世界初公開して以来、事業化に向けた準備を進めてきた、いすゞが提案するバッテリ交換式ソリューション。いすゞは、新開発したバッテリ交換式ステーションや、これに対応したバッテリ交換式EV車両を用いた実証実験を通じ、社会実装に向けた検証を加速させる。 ■ 藤沢工場内にバッテリ交換ステーションを設置 バッテリEV(BEV)の普及にあたっては、充電時間の短縮や車両価格の低減、バッテリの再利用といった課題を乗り越える必要があり、いすゞは、これらの課題を解決するソリューションをEVision Cycle Conceptとして、バッテリ交換をスムーズに行なうステーションと、これに対応するバッテリ交換式EV車両の2つを提案。EVision Cycle Conceptでは、車両からバッテリを分離して交換方式にすることで、車両価格の抑制と施設側の充電時間の集中を回避することができる。 藤沢工場内に設置したバッテリ交換ステーション(プロト機)は、2023年のジャパンモビリティショーで公開した車両片側のバッテリ交換装置を改良し、車両両側からの交換が可能。さらに、バッテリ2パック車だけでなく、4パック車にも新たに対応。車両の左右に装着されたバッテリパックを両サイドから同時に交換できるほか、車両との通信機能により交換ステーションに車両が入庫すると自動でバッテリパックを交換できるとしている。 社内実証実験では2パック車と4パック車を用いてバッテリパックの交換オペレーションを検証し、所要時間のさらなる短縮など、社会実装に向けてさらなる改良を重ねていくとしている。 今後のビジネス展開に向けては、2025年度までに国内のさまざまなパートナーと協働し、実証実験を開始する予定。加えて、8月に経済産業省が公募した令和5年度補正予算「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)」に採択され、2025年度からタイ王国でバッテリ交換式ソリューションの導入および、電力インフラとの連携によるセクターカップリングの実証事業を進めている。 いすゞは、EVision Cycle Conceptによるソリューションが、物流業界が直面する課題解決のための道筋となり、CN社会の実現に貢献するよう努めていくとしている。
Car Watch,編集部:椿山和雄