ジロ・デ・イタリア2024有力選手プレビュー|ダブルツールへポガチャルの第一関門
トップスプリンターの競演! マリア・チクラミーノがNo.1スプリンターの証に
このジロは、スプリンターたちの競演にも大いに注目していきたい。今大会では6~7回のスプリント機会が訪れると予想され、その中には最後を飾るローマ市街地でのフィニッシュも含まれる。 もっとも、第1ステージからスプリントチャンスがめぐってくる。この日を制すれば自動的にマリア・ローザが着用できることから、大会初日にフォーカスしている選手も多い。 その筆頭格に挙がるのが、ティム・メルリール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)。昨年逃したグランツール出場にこだわり、いよいよそのスタートラインにつくときがめぐってきた。脇にはジュリアン・アラフィリップ(フランス)らが控えており、フィニッシュに向けての主導権争いでは優位に立つシーンをたびたび見られるはず。 これがグランツールデビューのオラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク、オランダ)もわれわれに鮮烈なインパクトを与えるかもしれない。リードアウト役を買って出ていたワウト・ファンアールト(ベルギー)は負傷で欠場するが、その代役はクリストフ・ラポルト(フランス)とあって不安はないはず。フィニッシュ前の勝負強さは群を抜く22歳は、大飛躍のときが近づいている。 ジョナサン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)も、この春には強さを印象付けた。ティレーノ~アドリアティコではステージ2勝。その後の春のクラシックではアシストに回ってマッズ・ピーダスン(デンマーク)を勝利に導くなど大車輪の働き。好調を維持して迎える今大会では、複数勝利の期待がかかる。そして何より、前回大会でポイント賞「マリア・チクラミーノ」に輝いている。同賞2連覇をかけて臨むことになる。 チャンスを有する選手はまだまだ。新たな環境で調子を上げてきたファビオ・ヤコブセン(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)も控えているし、ステージレースのスプリントにめっぽう強いカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)も。カレブ・ユアン(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)は復権をかけ、2年前のジロで勝利しているビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)も調子を合わせてくるはず。 大集団スプリントで勝てるだけのスピードとパワーを持つ選手が15人近くいると予想される今回。激戦必至だが、それを勝ち抜いた先には勲章マリア・チクラミーノが待っている。ジロの、いや現在のプロトンにおけるスプリンターナンバーワン決定戦と言っても過言ではないレベルのスピードバトルが始まろうとしている。