新車セールスマンの言いなり契約はダメ! 常識みたいに言われてる「残価設定ローン+メンテナンスパック」は誰でもお得ってワケじゃない
新車は買ってからが本番
見積りを取るときに必ずといっていいほど計上されているのが、「メンテナンスパック」などと呼ばれるもの。初回車検や2回目車検までなど、決まった期間内に受ける点検・整備や油脂類などの交換費用をあらかじめ前払いすることで割安となるのがこれである。法定点検以外の任意となる点検なども入るので、そもそも損得勘定は個々人でかなり異なるともいえる。 ディーラーとしては、街の整備工場やガソリンスタンドなどへ点検整備を持っていかれるのを防ぐ意味もあるし、とくに残価設定ローンを組んで乗っている車両については、使用状況を管理したいという意味でも導入されているようだ。そのため、残価設定ローンを組むと、「メンテナンスパック」が標準付帯されるというメーカーもある。 メンテナンスパック単体で見れば、走行距離が伸びる人などにメリットのある商品なのだが……、「週末しか乗らない、あるいはほとんど乗らないといった人ほど熱心にメンテナンスパックに入るようです。つまり、半年ごとなどでオイル交換を必要としないような人が目立って加入するということです。過走行気味にクルマを使うような人は、むしろあまり関心を示さないとも聞きます」(事情通) 一般的には購入者側から見ればお得感のあるものでも、ミスマッチとなる人もじつは結構いるのである。商談時にそこら辺を丁寧に説明したり、新車購入後にクルマをどう使うのか(通勤にも使うのかなど)といったことを熱心に聞いてくるセールスマンは好感度が高いだけではなく、新車購入後もきめ細かいフォローをしてくれることが期待できる。 一方で、通り一遍の説明だけで、グイグイ「決めてください」と押してくるだけのセールスマンはあえて説明するまでもないが、売りっぱなしに近い対応しかしてもらえない可能性もあると考えていいだろう。 「クルマさえお気に入りならそれでいい」という人ももちろんいるだろう。ただ新車販売の世界では、「納車してからが本当の意味でのお客さまとのお付き合いのはじまりになる」などともいわれている。本命ではなく2番手ぐらいのクルマであっても、頼れるセールスマンから買っておけば、その後もことあるごとに相談できるので、結果的に「買ってよかった」ということになることも多い。
小林敦志