オランダのカタリナ=アマリア王女、マフィアに脅迫を受けている理由とは?
オランダの王太子であるカタリナ=アマリア王女は2年前から殺害や誘拐の脅迫を受けてきた。これまでの経緯を振り返る。 【写真】若くて将来も有望! ヨーロッパの未来の女王たちとは? 「スペインがオランダの麻薬王をうっかり解放」。そんな見出しが今年の4月、インターネットで躍った。記事によるといわくつきの麻薬犯罪者が最近、スペイン司直のミスで釈放されてしまった。インターポールが5年前から追いかけていたこの男、カリム・ブヤクリチャンはこれ幸いと行方をくらまし、現時点でも所在が確認できていない。 嘘のような話だが、さらに驚くべきことに、このカリムはある王族に対し、誘拐や殺害予告を繰り返していた人物だったのだ。その王族とは未来のオランダ女王、カタリナ=アマリア王女だ。
女王になりたくなかったプリンセス
覚えているだろうか、3年前にカタリナ=アマリア王女の伝記が発表されたことを。そのなかで王女は、自分にはまだ王位を継承する心構えができていないと語り、もし父が早世したら母にしばらく代位を頼みたいと話していた。普通の暮らしに憧れているのだろうなと、まだ10代だった王女の話をなんとなくほほえましく思ったものだ。ところがその後、王女には大変な試練が待ち受けていた。
モロッコ系マフィア
2022年9月、カタリナ=アマリア王女はアムステルダム大学に入学し、政治学、心理学、法学、経済学を専攻し始めた。当初は他の学生と共同生活を送っていたものの、じきに誘拐や殺害予告を受けるように。オランダのマルク・ルッテ首相と王女に対して脅迫してきたのは国際的な麻薬・コカイン密売を大々的に組織するモロッコ系マフィア。オランダ王室は動揺した。 カタリナ=アマリアは引っ越しせざるをえなくなった。ハーグにある王家の宮殿にこもり、外出するのは警護をつけた上で授業に出席するときだけだった。がんじがらめの生活を送る20歳の王女は、見知らぬ土地での自由な生活をなおさら夢みたことだろう。しかも王女の警護体制には不備があることが判明した。結局、王女は海外に行くことにしたとタブロイド各紙は報じた。