<北朝鮮内部>北東部でも豪雨で人命被害 金正恩氏の処罰恐れ幹部らパニック 「早くも責任のなすり合い始まった」
◆金正恩氏の叱責に怯える幹部たち
官営メディアによると、金正恩氏は、29、30日に被災地の新義州を、労働党最高幹部らを同行して視察。会議の場で金正恩氏は、職務怠慢と初期対応の不備から「容認できない人命被害まで出た」「厳しく処罰する」と批判し、社会安全相(警察庁長官に相当)を更迭したと伝えた。 この報せを聞いて両江道の幹部らは大騒ぎになったという。前出の恵山市の協力者は次のように説明する。 「金正恩が新義州で幹部の首を飛ばしたのを知って、両江道の党幹部らは総出動している。被害状況を調査すると騒ぎ、復旧作業の現場に初級幹部を総動員すると騒いでいる。幹部の家族たちは、復旧作業に動員されている労働者を支援するため、われ先にコメや現金を出そうと騒いでいる」
◆早くも被害発生の責任なすり合い
北朝鮮では集中豪雨による水害被害が頻繁に発生してきた。それに備え、各地の河川では、堤防や水路の補修や補強の工事が毎年のように行われている。作業には工場や企業の労働者や地域住民が動員される。今回豪雨被害の出た区間の工事の責任のなすり合いが、早くも、しかも激しく始まっているという。恵山市の協力者は次のように現状を説明した。 「佳山里では、堤防の補修を担当した恵山鉱山に責任を問うことになりそうだ。上が簡単に処罰を下すため、幹部らが罪のない人をどんどん処罰している。作業した人たちがいくら頑張って補修工事を頑張ってやっても、土と石を積むだけで洪水が防げるはずがないのに」 ※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。