“諦めの悪いアイドル”SKE48熊崎晴香が苦節12年で出した初センターという答え「私には時間がない」
「はー、また立てなかったか……」
熊崎「はー、また立てなかったか……。そう思いました。でも、おーちゃん(末永)もそうだけど、誰がセンターに立っても納得していました。3人とも魅力的なメンバーでしたから。でも、悔しさは消えていませんでしたし、向上心だけは持ち続けようと思っていました。ただ、そろそろ限界だなって感じ始めてもいました」 熊崎の気持ちは切れる寸前だった。研究生時代から願っていた、センターに立つという夢を目前にして、「限界」という文字が頭にちらつくようになった。 熊崎「もし今後センターに立つことがあったとしても、〝思い出センター″になってしまいます。そうしたくはなかったんです」 思い出センター。それは、卒業することが決まっているメンバーに対して、運営がこれまでの労いの意味を込めてセンターに指名することである。熊崎の願いは別のところにあった。 熊崎「センターに立つということは、これからのグループを引っ張っていく顔になるということ。一度センターに立てたから、『じゃあ卒業します』というのは無責任です。それに、大切なシングルを自分のためだけに使うことになってしまう。シングルはグループのためにあるものですから、そうしたくはなかったんです」 自身の年齢のことも気になっていた。 熊崎「前作の時点で26歳でしたから、私には時間がないと思っていました。タイムリミットが迫ってきている感じがしていて……。気持ちには限界がないけど、年齢的なタイムリミットを感じていました」 そして、迎えた今作。熊崎は念願のセンターに立った。諦めなかった自分の意志が最高のポジションへと運んでくれた。と同時に、ファンへの感謝も忘れていない。 熊崎「この5作、私はありがたいことに前の方のポジションでした。そこに立てるのはファンの方の応援があればこそです。ファンの方も私のセンターを期待してくれていました。もし他のメンバーを応援するようになっていれば、立ち位置をキープすることはできませんでした。ファンの方も私に似て、諦めが悪いんです(笑)」