【ナゼ?】スマホやキャッシュカードを持っていたのに“身元不明”…飲食店で倒れ急死した男性、法的には“生きたまま”で税金など未納に?専門家指摘「これからの多死社会、同様のことが頻繁に起こる」
旅の途中、不慮の死に見舞われた人『行旅死亡人(こうりょしぼうにん)』―いわゆる“行き倒れ”のことで、明治時代に生まれた法律用語です。そして、今の時代に起きているのが、“令和版の行旅死亡人”ともいえる不可思議なケース。死亡したはずなのに、法律的には生きている―そんなあり得ない状況に陥った時、周囲にまで影響を及ぼす“困りごと”とは?少子高齢国家・日本で、もはや他人事ではない『行旅死亡人』ミステリー。その真相を解明します。 【年金企画】夫をガンで亡くした76歳女性が抱く夢ー 独身で両親も他界…大病も乗り越えた67歳男性が見つけた「今の幸せ」とは…?受給日当日の“リアルな暮らし”に密着!【動画で見る】
■飲食店で倒れ急死…スマホやキャッシュカード所持も、なぜか『行旅死亡人』に
2024年1月9日に発行された『官報』によると、2023年6月11日、46歳(推定)の男性が京都市内のファストフード店で倒れ、東山区の病院に救急搬送されました。
救急隊と受け入れ病院の間で、身元の確認が行われました。男性の所持品には、現金5万1893円の入った財布が一つ。他には、スマートフォン・カギ4本・キャッシュカード1枚・病院の診察券2枚などがあったといいます。
男性は、入院から8日後の2023年6月19日、脳出血で死去。不幸なケースですが、これはいわば“誰にでも起こり得ること”です。 しかし―。
(『読売テレビ』西山耕平ディレクター/京都・嵐山) 「2023年6月、こちらの家に住んでいたとみられる40代の男性が京都市内で倒れ、亡くなりました。しかし、身元が確認できないことから、『行旅死亡人』として扱われたということです」
■『行旅死亡人』は一年に約800人⁉“身元不明”と判断されたら…
『行旅死亡人』とは、名前・住所が不明で、引き取り手がない遺体のことです。総務省の調査(2023年3月公表)によると、2018年4月~2021年10月までに2852件(年平均・約800件)あったといいます。
『官報』によると、亡くなった男性は身元不明のため、『行旅死亡人』として東山区役所が火葬し、市営の墓園に埋葬したということです。
しかし、男性の所持品にはスマホ1台・鍵4本・キャッシュカード1枚・診察券2枚・財布1個・現金5万1893円などがありました。また、『官報』には、男性の住所・氏名(推定)・年齢46歳(推定)まで記されていました。
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