新大関大の里「たくさんの歓声うれしかった」昇進後初の地元巡業参加 4700人の温かい声援に感謝
新大関大の里(24=二所ノ関)が地元巡業で熱烈な声援を受けた。大相撲の秋巡業が6日、金沢市総合体育館で行われ、石川県出身では25年ぶりの大関が、昇進後初めて地元の巡業に参加した。先輩大関の琴桜、豊昇龍と申し合いを計7番(4勝3敗)取るなど、熱のこもった稽古を見せた。 ◇ ◇ ◇ 新大関大の里が花道に姿を見せただけで、大きな拍手が響いた。金沢市に隣接する石川・津幡町(つばたまち)出身。大関としては初めてとなる地元巡業で、会場に詰めかけた約4700人から熱く温かい声援を浴び続けた。「たくさんの歓声をもらってうれしかった」と感謝。握手会でファンと交流した際には、大関昇進を祝福する声もかけられた。 朝稽古では、今回の秋巡業で初めて、大関同士による申し合いも行った。豊昇龍、琴桜と火花を散らす。7番取って4勝3敗。秋場所で効果的だった左のおっつけだけでなく、右からのおっつけも見せた。「番数は少ないけれど、良い稽古ができて良かった。(大関同士の申し合いは)これからどんどんやっていくと思う」と、さらなる研さんに励む意欲を示した。 県内の能登地方は元日に大地震、先月は豪雨と被害が相次いだ。「自分の頑張りを見て、少しでも元気や勇気を与えることができれば、と思っていた」と心境を明かす。その上で、地元のファンから受けた声援も力に変えたい。「石川の皆さんの応援は届いている。今日もたくさんの声が聞こえてきて、パワーをもらった。また次に向けて頑張りたい」と力を込めた。 史上最速の所要9場所で大関に昇進した大器は、さらなる飛躍を期す。来月の九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けて「稽古が大事。しっかり準備をしていきたい」。地元石川のためにも、健闘を誓っていた。【奥岡幹浩】