中国国防省、フィリピンへの米ミサイル展開を非難
[北京/マニラ30日 ロイター] - 中国国防省は30日、4月の軍事演習中にフィリピン北部に米国の中距離ミサイルシステムが展開されたことを強く非難し、「地域に戦争の重大なリスクをもたらした」と主張した。 国防省の呉謙報道官は北京での記者会見で、中国は警戒態勢を維持し、インド太平洋地域で初のミサイル展開に反対すると述べた。 呉氏は米国とフィリピンによる演習が地域の平和を「著しく損なった」と主張。「中距離ミサイルは戦略攻撃兵器であり、冷戦の色合いが強い」とも言及した。 一方、中国は広範な通常弾道ミサイルの一部として、独自の先進中距離ミサイルを配備している。 中国による非難を受けてのフィリピン軍報道官からのコメントは得られなかった。 米国は4月、合同軍事演習「バリカタン」の一環として、ミサイルシステムをフィリピンに展開したと発表した。フィリピン軍の高官も同月、ミサイルシステムがフィリピン北部に搬入されたと述べた。ただ、当局者らはこの兵器システムが他の場所に移されたか、フィリピンにとどまっているかに関しては明言していない。