お金持ちになるために「今日」から始めること、金融の専門家5人が伝授
資産管理や資産運用を始めるに当たって最も難しいのは、最初の一歩を踏み出すことだ。その一歩を踏み出すまでは、支出の管理や投資など、資産管理の世界は途方もないもののように思えるかもしれない。しかし、Chase(JPモルガン・チェース銀行)のコンシューマーバンキング部門のCEOジェニファー・ロバーツがいうように、重要なのは早くから始めるということだ。 「私の母は貯蓄家で、それが母の哲学の一部でした」とロバーツは振り返り、早期からの金融教育の重要性を強調した。ロバーツは幼い頃から貯蓄の大切さを学んだという。「幼い頃から、ベビーシッターでも、地元の薬局で働いた最初の仕事でも、稼いだお金の半分を貯金するようにいつも教えられていました」 ロバーツは、この教訓の永続的な影響を述べ、初めてのクルマのような大きな買い物をする力を与えてくれたことを語っている。社会人になってからも、ロバーツは将来のための貯蓄を優先し、堅実な経済習慣を守り続けた。「私はいつも、自分のことは自分でできるようになりたかったし、誰かにお金の無心をする必要もなかったのです」と、ロバーツは経済的自立への道のりを振り返った。 ロバーツのアドバイスに従って、USバンクのウェルス・バンキング、コーポレート・コマーシャル・バンキングおよびインスティチューショナル・バンキング部門のバイスチェアマンを務めるグンジャン・ケディアは、早いうちからファイナンシャル・ウェルネスの習慣を身につけることの重要性を強調する。「ファイナンシャル・ウェルネスは、まさにウェルネスそのものです」とケディアは述べ、将来の強固な基盤を築くために、できるだけ早くファイナンシャル・ウェルネスを生活に取り入れる必要性を説く。
まずは支出の管理から始めて、自分のお金の出入りを把握する
トロント・ドミニオン銀行の個人向け預金および決済関連商品部門の責任者であるコートニー・ミッチェルもこの意見に賛同し、まずは支出の管理から始めて、自分のお金の出入りを把握することから始めるようアドバイスしている。この基礎的なステップは、支出するべきかの判断能力と貯蓄能力を養うためには不可欠であるという。 EverBankのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)であるミーガン・ジョンソンは、それぞれ個人のニーズに合った、銀行が提供するサービスを取捨選択することの重要性を強調する。銀行を選ぶとき、あるいは銀行を変えるとき、多くの人が圧倒されてしまうことだろう。彼女は、手数料が低いか、またはリスクは同じでもより高利回りの選択肢を探すべきだと話す。ネット系銀行は、しばしば従来の金融機関よりもその点では有利だという。 FacetのCOOであるシュルティ・ジョシは、早い段階から金融の専門家によるアドバイスを受けることの重要性を強調する。「できるだけ早く専門家のアドバイスを受けましょう。また、それがCFP(認定ファイナンシャルプランナー)によるものであるかどうかも確認してください」と彼は話す。間違っていたり、理解不足の知識に基づいたDIY的なアプローチをやめ、専門家から包括的なアドバイスを受けるべきだという。 Goalsetterの創業者兼CEOであるターニャ・ヴァン・コートは、資産管理のうえで個人が直面するよくある間違いについて話す。「富を築くのは裕福な人だけのものだと思い込むこと、また、負債や経済的な失敗と直面することを過度に恐れること」とがそうした間違いの例だという。ヴァン・コートは、まずは現状から第一歩を踏み出し、明確な目標を設定し、経済的な自由を獲得するために適切なアドバイスを受けることの重要性を強調する。 個人の資産管理は複雑なように見えるが、こうした専門家による知恵は、従うべき優れたロードマップを提供してくれる。早期から貯蓄することの重要性から、戦略的な支出管理、適切な銀行選び、専門家によるアドバイスの重要性、誤った思い込みの克服に至るまで、彼らの話しを聞けば聞くほど、経済的目標を達成し、経済的に豊かになるためには、自分自身が積極的に行動する必要があるのだと感じた。
Jaime Catmull