母子3人犠牲の岡谷市土石流災害 遺族が市を提訴 避難指示、適切に行わず…『発令は土石流発生の30分後』 2億1000万円余りの損害賠償請求
2021年8月、長野県岡谷市で親子3人が死亡した土石流災害で、避難指示の遅れなど市の判断に問題があったなどとして、遺族が市に対し2億円余りの損害賠償を求める訴訟を起こしたことがわかりました。
2021年8月15日午前5時15分頃、前日からの大雨で土石流が発生し、岡谷市川岸の住宅を直撃。お盆で帰省していた母親(当時41歳)、次男(当時12歳)、三男(当時7歳)が犠牲となりました。 当時、問題となったのが「避難指示のタイミング」です。市は累積雨量が90ミリ以上となった時や1時間雨量が30ミリを超えた場合などに避難指示発令を検討するとしていました。 これまでの取材では、川岸地区の観測所の累積雨量は前日の午前2時の時点で既に91.5ミリを超え、土石流直前には374ミリに達していたことがわかっています。 しかし、市は「夜の避難は危険」とし、避難指示の発令を見送り、実際に発令したのは土石流発生の45分後の午前6時ごろでした。 28日、岡谷市役所で開かれた市議会全員協議会。 早出一真市長: 「避難指示の発令を適切に行わなかったこと、土石流が発生することは事前に予見可能にも関わらず防災設備を設置しなかったことが違法であると、2億1072万円の損害賠償求め、市を相手取り提訴したもの」 早出市長は市に損害賠償を求める訴えがあったことを報告しました。 提訴したのは犠牲になった3人の遺族。訴状では土石流の発生は「午前5時半ごろ」、避難指示発令は発生30分後の「午前6時」としています。その上で、市が適切な時期に避難指示を出さなかった・土石流は予見できたのに防災設備を設置しなかったことなどが違法とし、市に損害賠償を求めています。 岡谷市は弁護士と相談しながら対応するとしています。 早出市長: 「訴訟でございますので、詳しいコメントは差し控えたい」 原告側もコメントは控えたいとしています。 第一回口頭弁論は来月20日、地裁飯田支部で開かれます。