投資信託を買うとき、目論見書を読まなくてはなりませんよね。内容が難しく理解できないのですが、どんなことが書いてあるのですか?
ネット証券やネット銀行などで投資信託を購入する場合、PDFなどで目論見書の閲覧を求められます。そして閲覧しないと投資信託の購入手続きを進めることができません。もっとも、目論見書の中身について「同意する」ことまでは求められていません。では、目論見書とはいったい何なのでしょうか?
目論見書とは投資信託の“トリセツ”のこと
そもそも目論見書とは、投資信託のトリセツ(取扱説明書)のことで、投資信託説明書とも言います。買おうとしている投資信託ついて、判断に必要な重要な事項の説明をした冊子(書類)のことです。 ネット証券やネット銀行等ではPDFで、画面に「必ず読んでください」という趣旨のことが書かれています。一方、金融機関の窓口で投資信託を購入する場合には、遅くとも購入の直前には、必ずお客さまに手渡されます。 目論見書には主として以下のような内容が書かれています。 <投資信託の目的や特色> 投資信託の目的や特色、例えばインデックス型ですとTOPIX(東証株価指数)やダウ平均株価などの指数に「連動した成果を目指す」など、各投資信託の運用目標などが書かれています。また投資先は株式・債券、それに国内・海外・国内外などの投資先の区分が書かれています。 <投資にともなうリスク> 投資信託には、どのようなリスクがあるのかが書かれています。例えば、為替変動リスク・価格変動リスク・金利変動リスクなどです。 <過去の運用実績> 基準価額(投資信託の値段のこと)・純資産総額(=投資信託の全財産の額)・分配金(運用によって得られた収益を決算ごとに受領するお金)・年間収益率(期末の分配金込みの基準価額を期初の価額で割った騰落率)の推移などを確認できます。 なお、分配金がゼロでも「分配金0円」と書かれています。また当然のことながら、新規の投資信託には過去の運用実績は書かれていません。 <手数料等> 投資信託を購入する時に掛かる購入時手数料・投資信託を保有している時に間接的に負担する信託報酬(=運用管理費用)、そして投資信託を途中で換金するときに、換金する人が負担する費用である信託財産留保額等が書かれています。 つみたてNISAで購入する銘柄は、購入時手数料はありません。また信託財産留保額のない投資信託もあります。 目論見書に書くべきことや順序はすべて統一されています。つまり、異なる投資信託との比較もしやすくなっています。
交付目論見書と請求目論見書
以上、述べてきた目論見書は「交付目論見書」といって、お客さまには必ずお渡し(PDF含む)しなくてはならないものです。 そしてもう1つ、「請求目論見書」というものもあります。こちらはお客さまからの請求があって、初めてお渡しする目論見書(PDF含む)です。請求目論見書には、投資信託の沿革や経理の状況などの追加的な情報が載っています。 以上が、投資信託の目論見書についての説明です。目論見書をよく読んで理解した上で、投資信託の購入の是非を判断しましょう。悔いの残らない投資にしたいものですね。 執筆者:大泉稔 株式会社fpANSWER代表取締役
ファイナンシャルフィールド編集部