糖尿病治療薬GLP-1、治療効果を期待できる「他の疾患」に関する研究
現在、わかっている副作用
■オゼンピック、マンジャロなどはどのような副作用を引き起こす可能性があるか? 他の薬剤と同様に、GLP-1にも副作用のリスクがある。クリーブランド・クリニックによれば、最も一般的な副作用は吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢などの消化器系の副作用だ。その他の副作用としては、めまい、心拍数の増加、感染症、頭痛、消化不良などがある。 研究によると、セマグルチドは、2型糖尿病の治療に使用された場合、非動脈性前部虚血性視神経症と呼ばれるまれな失明を発症するリスクが4倍高く、肥満の治療に使用された場合は7倍高いことが示唆されている。JAMA Ophthalmology(米国医学会眼科学会誌)の研究によると、セマグルチドを服用している患者は、腸閉塞や胃不全麻痺(胃が小腸への食物の移動を遅らせたり、完全に停止したりする状態)などの深刻な胃の問題を発症するリスクが高かった。 ■基本情報 グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬は、脳の空腹感に関わる部分に作用して食欲を抑制し、血糖値とA1C(ヘモグロビンA1C:過去1~2カ月の平均血糖値を反映する指標)を低下させることで、糖尿病と体重減少の治療に使用される薬剤の一群だ。 最も一般的なGLP-1は、セマグルチド(商品名:オゼンピック、ウェゴビー、リベルサス)とチルゼパチド(商品名:マンジャロ、ゼプバウンド)の2つだが、このクラスの他の薬剤には、デュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチドなどもある。チルゼパチドは、GLP-1とグルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)の2つの部分からなる薬剤だ。GIPは脳内のGIPホルモンと連携してインスリン産生を増加させ、食欲を抑制する。
Arianna Johnson