東京国際映画祭のナンニ・モレッティ特集で識者が魅力を熱弁。「チネチッタで会いましょう」への著名人コメントも到着
〈コメント〉
こんなにも待ち遠しく、観終わった後、明るく幸せな未来を感じる映画は久しぶりだ。 ナンニ・モレッティ監督の映画はいつも辛辣で可笑しい。 しかも今回は映画監督の話であり夫婦の話であり、世界の話だ。面白くないわけがない。 物語のラストに、子供のようにくるくると回り始めるシーンがある。 監督もスタッフも役者たちも。主人公と共にわたしも【映画で物語を描き直すという飛躍】に救われた。 観客のみなさまもきっと劇場を出る時には、心がくるくると回り始めるに違いない。 ──三島有紀子(映画監督) 社会を鋭く観察、映画と人生を語り続けるモレッティ。 ローマとチネチッタを舞台に、ズレて、こんがらがった状況をイタリア人ならではの粘り強さとで切り抜けようとする。 笑い、戸惑い、諦念、そして最後は幸せになれるか? これは見逃せない! ──宮嶋勲(ジャーナリスト「最後はなぜかうまくいくイタリア人」著者) 映画をコントロールしようとすればするほど、人生が制御不能になっていく監督。 こだわりや執着よりも「手放す」ことの大切さを教えてくれる作品です ──辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) ジョヴァンニ、わがまま過ぎやしませんか? 長く映画界を生きてきた監督の、頭の中そのものみたいなパレードシーンはもう、拍手を送るしかありませんでした! ──大九明子(映画監督) にっちもさっちも行かなくなると、古い日記を開いてみる。新聞の切り抜きやコンサートの半券、怒っている字。 甘さや酸っぱさが重なる。 「チネチッタで会いましょう」は、ミルフィーユのようなイタリアへの招待だ。 ──内田洋子(ジャーナリスト) ほぼ同年代の私にはちょっとした清涼感のあるいい映画だった。 ──和田秀樹(精神科医)
Story
5年に1本のペースで映画を撮り続けてきた監督のジョヴァンニ。プロデューサーでもある妻に支えられ、頭の中は新作のアイディアでいっぱい、完璧な日々だと思っていた。ところが自分は世間や家族の気持ちからズレていたと気づかされる。 妻に別れを切り出され、フランス人のプロデューサーが詐欺師と判明したことで映画製作は中断。ついには妻がプロデュースする映画に難癖をつけて撮影を一晩とめてしまい、Netflixを頼ってみるものの脚本にダメ出しされる。失意のジョヴァンニがやがて見つける大切なものとは? 「チネチッタで会いましょう」 © 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma 配給:チャイルド・フィルム