世界が注目する「内視鏡AI」創業者が明かす行動哲学、自分で決めた「突き抜けた目標」に挑んだほうがいい理由
クリニックを長く経営してきたとはいえ、スタートアップに関する経験・知識はいっさいありませんでしたが、起業家育成プログラムでスタートアップのノウハウを徹底的に学んだ私は、2017年、埼玉県でAIメディカルサービスを立ち上げます。 よく、一介の地方都市のクリニックの医師が、なぜここまで来ることができたか聞かれることがあります。 一つ言えるのは、とにかく最初から「世界最高水準」を目指していた、ということです。
東京大学医学部卒業後、外科医として5年間の研修を経て、外科専門医資格を取得したあと、2001年から東大大学院で腫瘍学を学び、34歳で卒業、博士号を取得しました。 ここまでは、医師としてはごくごく一般的なキャリアだったと思います。 しかし、そのあと私が選択したのは、クリニックを開業することでした。当時としてはかなり異端の選択だったと思います。 ただ、私自身はクリニックを開業するとき、すでに私はこう公言していたことを、自分でもよく覚えています。
「このクリニックは、世界最高水準の胃腸科、肛門科診療を提供する」 もっといえば、自分が内視鏡医療の未来をつくるんだ、くらいに考えていました。こうした高い目標を置いたからこそ、今の私はあります。 もしこれが、開業して年収何千万円を稼ぐなどということが目標であれば、おそらく達成しておしまいだったでしょう。世界最高水準という高い目標を据えていたからこそ、クリニックの成功に満足することなく、内視鏡AIという次のステージに踏み出すことができたのです。
■挑戦をまずは恐れない しかし、高い目標を掲げている人は、実際には多くはありません。大きな目標は達成できなかったときに怖いからでしょうか。目標を高く掲げることがリスクになるからでしょうか。 よくよく考えてみてほしいのですが、誰も他人のことなど、実はそれほど気にしていないものです。私が失敗しようがしまいが、あなたが失敗しようがしまいが、そんなことは誰も興味はないのです。 あなたも、ほかの誰かが失敗したと聞いたら、一瞬「かわいそうに」と思うけれど、そのうち忘れてしまうはずです。ちょっと嫌いな人だったら「それ見たことか」くらいは思うかもしれませんが、それだけのことです。