<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第4部・戦力分析/上 バランス良い打線 勝負どころで集中力光る /千葉
18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会に出場する専大松戸は、昨秋の県大会を初めて制し、関東大会でも準優勝を果たした。チームの特徴について「攻撃力」と「投手力・守備力」の2回に分けて分析する。【近森歌音】 昨秋の公式戦のチーム打率は3割2分7厘。甲子園の出場校の中では、決して高いわけではない。それでも激戦の関東大会を決勝まで勝ち上がれたのは、どこからでも点が取れるつながりの良さと勝負どころでの集中力があったからだ。 主将を務める大森准弥(2年)は、持丸修一監督が「一番安定している」と信頼を置くリードオフマン。1番打者ながら長打力があり、8四死球を選ぶなど選球眼にも優れる。甲子園の舞台でも攻撃の起点となりそうだ。 これに続くのが167センチとチームで最も小柄な2番打者の清水友惺(1年)。3割5分を超える打率を残すなどチャンスメーカーとして存在感を発揮した。関東大会準々決勝では、センバツ出場をたぐり寄せる同点三塁打を放った。 中軸には強打者が並ぶ。3番を打つ中山凱(同)は打率3割8分6厘、2本塁打、19打点と全試合出場した選手の中ではチーム内の「3冠王」。冬場は1日5回の食事で関東大会後から体重を約5キロ増やし、長打力に更に磨きをかけている。 4番に座る吉田慶剛(2年)はクレバーな打撃が魅力だ。捕手として培った観察眼を生かし、投手の癖などから球種を読んで仕留める。関東大会1回戦では初回に2点本塁打を放つなどチームを引っ張った。「チャンスで打つのが4番の役割」と自負する。 下位打線にも役者が顔をそろえる。上迫田優介(同)は身長168センチの体に驚異のパンチ力を秘める。昨秋の公式戦では2本塁打を記録。県大会3回戦で逆転打、関東大会の準決勝で決勝打を放つなど八面六臂(ろっぴ)の活躍だった。 ラストバッターの宮尾日向(同)は50メートル6・3秒の俊足を武器とする。昨秋は3割7分1厘と好調を維持し、チーム1の5盗塁を記録した。甲子園の舞台でも、足で相手のリズムを崩したい。 持丸監督は今年のチームの攻撃力について「下位まで考えると、(前回出場した)2年前のチームよりバランスが良い」としつつ、「もう少し打ってほしい」と注文を付ける。練習試合が解禁となる3月からは他県の強豪と練習試合を重ね、更にパワーアップを図るという。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇秋の公式戦の打撃成績 学年 試合数 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 三振 四死球 犠打飛 盗塁 打率 投 平野大地 (2) 5 14 3 0 1 1 3 3 1 0 0 .214 捕 吉田慶剛 (2) 11 41 13 2 0 1 11 1 3 3 1 .317 一 渡辺翼 (2) 9 12 2 0 0 0 3 3 2 1 0 .167 二 宮尾日向 (2) 12 35 13 0 0 0 2 3 7 5 5 .371 三 大森准弥 (2) 12 46 15 5 2 1 12 6 8 2 4 .326 遊 中山凱 (1) 12 44 17 5 0 2 19 4 5 7 3 .386 左 上迫田優介 (2) 12 41 15 3 2 2 12 4 5 4 3 .366 中 清水友惺 (1) 12 42 15 3 1 0 7 2 9 3 4 .357 右 太田遥斗 (2) 10 37 13 3 0 2 7 3 2 1 0 .351 青野流果 (2) 6 11 2 1 0 0 3 5 1 2 0 .182 梅沢翔大 (1) 2 4 1 0 0 0 0 1 0 0 0 .250 渡辺真翔 (2) 3 10 2 0 0 0 0 2 0 2 0 .200 広川陽大 (2) 11 28 9 1 0 0 4 2 5 3 2 .321 八津快洋 (1) ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 水谷南音 (1) 3 6 3 0 2 0 2 1 3 0 0 .500 永瀬滉平 (2) 2 2 0 0 0 0 0 1 0 0 0 .000 染谷晃汰 (2) 7 3 0 0 0 0 0 0 1 1 2 .000 清水陽路 (2) ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 林将斗 (1) 3 4 2 1 0 0 0 0 0 1 1 .500 数井秀雅 (1) 3 2 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 小林大輝 (2) ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 岩井克憲 (1) ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 多賀谷直輝 (2) ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ※学校の提出資料より