"友達親子"は子供の自立を妨げる…親と距離を置きたがる思春期の子に響く"声かけフレーズ"
■思春期の親子の距離 日常的な会話のやりとりはありますか? 思春期は、親に対して距離を置きたがる時期です。でも、親がコミュニケーションを諦めてはいけません。子どもに無関心になったり、無視したりすることは虐待の一種です。なお、声掛けはポジティブな表現を心がけましょう。親の言葉の変化を、子どもは敏感に感じとり、心の状態も変化します。 ふり返りポイント:直接対話以外の声掛けも検討 直接の会話が減りがちなら、LINEなどを通じて声掛けをしてみるのもよい。親子の会話のチャンネルが増える。子どもにとってはかえって話しやすいことも。 ---------- ポジティブ声掛けリスト <日常の声掛け> 「おはよう」「いってらっしゃい」 「気をつけて」「今日は~な日だね」 「いってきます」「おかえり」「お疲れさま」 「待っていたよ」「お茶いれたよ」 「ごはん食べよう」「お風呂わいたよ」 など <ほめの声掛け> 「ありがとう」「うれしい」 「楽しいね」「助かったよ」 「いてくれるから安心だよ」 など <感謝の声掛け> 「すごいね」「やったね」「さすがだね」 「がんばったね」「上手だね」 「あなたならではだね」 「もうかなわないな」「うまくなったね」 「えらいね」 など ---------- ■子どもに手をかけすぎない 子どもが自立する機会を奪っていませんか? 親の正論や心配が、子どもの自立心をくじいてしまうことがあります。過干渉になっていないか注意しましょう。ただ、神経発達症の傾向がある子の場合、親が手をかけざるを得ない場合もあります。年齢と子どもの発達の程度を考えながら関わることが大切です。 <過干渉> 心配で放っておくことができない。本人が自己表現する前に感情を言葉になおす。よかれと思って、本人の状態をよく観察せず一方的に励まし続ける。
■失敗させまいという気持ちを抑えることも大事 人は経験から先を予測します。子どもに対して「好きな道を選べばいい」と言いつつ、子どもが決めたことに反対し、無理やり「失敗しない道」「親がよかれと思う道」を選ばせたがります。しかし人は自分で選択し、失敗することで自分の限界や能力を知り、困難を乗り越えていきます。そして挫折から立ちなおるレジリエンスも高められます。 親にも、子どもの失敗を前向きに受け止める姿勢が欠かせません。 <感情の混同> 本人の感情を尊重せず、自分の感情をまるで本人の感情のように口にする。 <先回り> 本人を急かし、先回りしてやることをすべて指示する。思考ややる気、自己効力感を奪ってしまう。 <自己の押し付け> 自分の方法論を自明のことのように本人に伝え、それ以外の選択肢を許さない。 ■親子関係が自立の妨げになることがある 親子関係はうまくいっていますか? 友だちのように仲の良い親子は、一見理想的かもしれません。しかし、養育する側とされる側、それぞれの立場は同じではありません。その立場の違いが、自立したいという気持ちを促します。一方、親に対して絶対服従を強いる、逆に親が子どもの言いなりになるという関係も、自立の妨げになります。 NGな親子関係 <対等> 友人のように仲良しで対等な存在だと、子どもは親に反発し、距離を置き、自立することができない。 <子が絶対上> 子どもの機嫌をとり、要求に応じ、自主性に任せきりは、たんなる過保護。 規範を示すのも親の役割。 <親が絶対上> 親が子どもを尊重せず、一方的な態度で接する。 子どもは自立の機会を奪われる。