春の植えつけ、ちょっと待った! おすすめの方法を宿根草のプロが解説
水はけよくやせ気味の土を好む
植えられた場所で長い年月をかけて育つ宿根草は、土質が合わないといずれ育たなくなります。多くの宿根草が好むのは水はけがよく、やせ気味の土です。 強くやせて何も育たない場合は、肥料や堆肥を入れる、逆に肥沃すぎる場合は培養土を入れたり軽石をすき込んだりしてコントロールします。どちらも半月ほど過ぎて、土壌が落ち着いてから植えつけると確実です。 宿根草を育てるようになると自分の庭土の性質が徐々にわかってきます。肥沃すぎる場合は、肥沃な環境を好む宿根草もあるので、広範囲に土壌改良するよりもその場に合うものを植えるほうが手間なく育ちます。
肥料は基本的に必要としない
肥料をたくさん施せば、たくさん花を咲かせ丈夫に育つと思われがちです。でも多くの宿根草は、植えつけるときに肥料や堆肥などを施す必要はありません。 肥料は一時的に成長を促進させるものなので、時間をかけて育つ宿根草に施しても生育サイクルが一時的に早くなってしまい、かえって逆効果。軟弱な株になってしまうこともあります。バラや一年草などに肥料を施すときには宿根草に影響しないように気をつけましょう。 また、成長の途中に施す肥料、いわゆる追肥も基本的に必要ありません。肥料を施さなければ育たないのは、その場所や土質が合っていないことになります。その場合は植えつけ場所を検討したほうがよいでしょう。 ただし限られたスペースで育つ鉢植えや小さな花壇の場合、肥料は欠かせません。時間とともに失われる養分を肥料で補います。ゆっくりと長く効く有機肥料や化成肥料を使いましょう。
*本記事は荻原範雄『NHK趣味の園芸 おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン』(NHK出版)を抜粋・再編集したものです。