「頑張らなきゃ」がしんどければ「そのまま」でいい 新生活の疲れが出るころ 自分を安く見積もらず価値を認めて
新年度が始まって1カ月が過ぎました。GW明け、新しい環境で慣れようと頑張ってきたことの疲れが出るのもこのころ。またこの時期に限らず、仕事でミスをして落ち込んだり、誰かと比べて自分はできないと凹んだり、「つらい」「しんどい」と思うときは私たちの人生において多々あります。精神科医の藤野智哉さんは、そのような人たちに向けて、成長する前に、頑張る前に、まずは自分をいたわること、ケアすることの大切さを伝えています。 【画像】5月は新しい生活の疲れもでるころ。そういうときだからこそ、心にとどめておくと良いメッセージとは?
藤野さんの著書『「そのままの自分」を生きてみる』から一部を抜粋しお届けします。 ■雑に扱われることに慣れないで 世の中には、ひどいことを言う人が少なからずいます。 「仕事のできない人間が残業するのは当たり前だろう。夜できないなら朝早くきて仕事しろ」などという上司。 「家のことをちゃんとするのは君の役目なんだから、いくら疲れているからって料理やそうじを手抜きしないで。きちんとやってくれないと」というパートナー。
人間は仕事だけをする生き物ではありません。夜はしっかり寝ないといけないし、食事をとり、人生を楽しむ時間も必要です。 家事なんてできるほうがやったらいいし、疲れてしんどいときまで、ちゃんとやる必要もありません。 けれども、ついつい真面目な人や、いい人ほど「仕事のできない自分が残業するのはしょうがないか」「要領よく、うまく家事をできない私が悪いから」なんて思ってしまったりします。 あるいは、「頑張って成長しないと」なんてますます頑張ってしまったり。
真面目に生きれば生きるほど生きづらいって罠ありますよね、人生……。 でも、待ってください。 仕事ができてもできなくても、家事ができてもできなくても、あなたの体と心は大切に扱われる価値と権利があります。 仕事ができないからといって、上司に雑に扱われる筋合いはありません。疲れているときに家事を手抜きするくらいで、パートナーに責められるいわれもありません。 雑に扱われることに慣れると、ますます自分を無価値だと感じてしまいます。