寄せ植えをつくるなら冬がおすすめ!2つのメソッドで始めよう
年間千鉢近くの寄せ植えをつくるという園芸家の上田広樹さん。『趣味の園芸』12月号の「2つのメソッドで美しく! 冬の寄せ植えデザイン帖」では、美しい寄せ植えの見本とともに、植物の選び方、組み合わせるコツなどを上田さんにたっぷりと教えてもらいました。ここでは、冬が寄せ植えを楽しむのにぴったりな理由と、始め方のポイントを紹介します。 パンジー、ビオラを使ったみんなの寄せ植え写真
冬こそ、寄せ植えを!
多くの植物の生育がゆるやかになる冬は、すぐに枝葉が伸びることもなく、花やリーフは美しさが長もちします。これは、寄せ植えづくりの大きなメリット。植えつけ当初の姿を保ちやすいので、初めてでもきれいな姿を手軽に楽しめます。 ただし、多くの植物を使う高低差をつけた寄せ植えはハードルが高め。なぜなら、立ち上がって伸びるのか、こんもり茂るのか、長く垂れ下がるのか、各植物の育ち具合を見越してつくらなければならず、慣れが必要だから。でも成長がゆっくりの冬はチャレンジどき!です。
2つのメソッドで始めよう
1つの鉢で多くの植物を楽しむ寄せ植えでは、どんなふうにまとめるか、これが一番悩ましいですね。おすすめは「好きな花」から選ぶこと。そして、慣れないうちは2つのメソッド(方法)で構成すると手軽につくれます。 1つは「主役を立てる」方法。好きな花1種類を主役にし、すき間には主役を引き立てる植物を植えます。 もう1つは「同系色でまとめる」方法。好きな花は同系色で複数選び、すき間に植える植物も同系色や主張しない色を選びます。
「主役を立てる」寄せ植え アプリコット色のマーガレットを主役に、明るい黄色の斑入りのバコパ、蕾がピンク色の「花かんざし」など、オレンジ、イエロー、ピンク色などでまとめ、アクセントにブルーのワスレナグサを添えてカジュアルな雰囲気に。 ここで使った主役のマーガレットは1株ですが、ほかよりも大株で、花径も大きいので存在感があります。鉢の色はホワイトですっきり軽やかに。
上田広樹(うえだ・ひろき) 園芸家 大阪府堺市の園芸店で店長を務め、テレビや講習会などでも活躍。一つ一つの植物をよく観察したていねいな植えつけ、鉢も含めたトータルな美しさで人気が高い。 『趣味の園芸』2023年12月号「2つのメソッドで美しく! 冬の寄せ植えデザイン帖」より