生田斗真&ヤン・イクチュン、互いに刺激 日本と韓国の文化を織り交ぜた新たな作品に意欲
ヤン:僕はチャレンジしたいこととして、もし可能であれば、日本で作品を撮ってみたいんです。昔から考えていたことなんですが、日本と韓国の文化が混ざり合ってちゃんぽんになってほしい。数年に1回とかではなく、定期的に文化が混ざり合っていくことによって、シナジー効果も上がってくると思うんです。日本は長い間の文化の蓄積があって、文化遺産もたくさん残っています。韓国は近代に入ってから、特に2000年代以降様々な新しい文化が動き出していますので、2つが混ざると両国にとって楽しい文化が生まれて、色々なコンテンツもできてくるでしょう。生田さんはこれから韓国の映画にも出てほしいです。そして韓国だけではなくて、他の国の作品にも出演して、挑戦してもらえたらうれしいなと思ってます。『アベンジャーズ』とか(笑) 生田:『アベンジャーズ』!?(笑)
――文化の話が出てきましたが、互いの文化について注目していることなどはありますか? 生田:イクチュンがお酒好きで、「どういうところで飲んでるの?」と聞いたら、コンビニの前で飲んでいるそうなんです。韓国ではコンビニの前にテーブルがあって、お店で買ったものをそのままそこで飲むそうで、それがすごい好きだというので、いつか韓国のコンビニの前で一緒に飲みたいな。 ヤン:行きましょう! 近所の仲のいい人たちと一緒に、野外で安く、気楽にカジュアルに飲みたい時にいいんですよ。楽しいですし、暑い日でも夜になると少し涼しくなるので、外の風を浴びながら、缶ビールを開けて飲むと雰囲気があってすごくいいですよ。 ――ヤンさんから見て日本の文化についてはいかがですか? ヤン:私は昔から日本の文化には関心が高くて、音楽とか映画とかアニメーションとか幅広い文化に惹かれ、すでにたくさんのものを吸収している状態です。長い間日本の文化に触れる経験もしてきたんですけど、今、韓国の大衆文化もはずみがついている感じがしますし、日本の文化と混ざり合って何か楽しいことができないかと試したい気持ちが強くて。日本と韓国の文化を織り交ぜるような形で、文化人や俳優さん達とコラボするような作品に挑戦してみたいと思っています。メジャーはメジャー同士でたくさんのことをしていると思うんです。でもそれ以外にアンダーグラウンドだったり、個人同士で作っているものだったりもあると思うので、そういう試みにもマスコミの皆さんが目を向けていただけたらうれしいです。 ■生田斗真 1984年10月7日生まれ、北海道出身。2010年公開の荒戸源次郎監督作『人間失格』で映画初出演、初主演にして第53回ブルーリボン賞新人賞を受賞。以降、守屋健太郎監督作『シーサイドモーテル』(10年)、『源氏物語 千年の謎』(11年)、『僕等がいた前篇/後篇』(12年)、『脳男』(13年)、『土竜の唄』シリーズ(14、16、21年)、『予告犯』『グラスホッパー』(15年)、『秘密 THE TOP SECRET』(16年)、『彼らが本気で編むときは、』『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17年)、『友罪』(18年)、『湯道』『渇水』(23年)など数多くの作品で主演を務める。主演舞台である2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』上演を控える。 ■ヤン・イクチュン 1975年10月19日生まれ、ソウル出身。2009年の長編映画監督デビュー作『息もできない』で、監督のみならず主演・製作・脚本・編集を手がけ、ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード(グランプリ)、東京フィルメックスの最優秀作品賞(グランプリ)と観客賞をはじめ、世界各国で25を超える賞に輝く。以降、俳優としてヤン・ヨンヒ監督作『かぞくのくに』(12年)をはじめ、日本でも『夢売るふたり』(12年)や、『中学生円山』(13年)などに出演。17年の『あゝ、荒野』2部作では菅田将暉とともにボクサーを目指す若者役でW主演を務め、大きな話題を呼んだ。近年では日本でも大ヒットしたNetflixオリジナルドラマ『地獄が呼んでいる』(ヨン・サンホ監督)に出演している。
佐々木なつみ