独自チップとスパコンがAI時代の鍵を握る…アマゾンAWSはその両方を推進(海外)
自社のチップを積極的に投入
チップに関して言うと、アマゾンは、2023年の「Re:Invent」で初めて発表された「Trainium2」が、現在、一般に提供されていることを明らかにした。その大きな特徴として、このチップはエヌビディアのGPUを搭載した現行のサーバーと比較し、「同じ価格で30%から40%優れたパフォーマンス」を実現しているという。 それは、半導体業界に特化したリサーチ会社セミアナリシス(SemiAnalysis)のアナリストらが2024年12月3日に「生成AIのトレーニングには期待外れ」と評価した最初のチップシリーズから大きな進展を示すものである。この最初のチップは、アマゾン内で「複雑でない」作業、例えばクレジットカードの不正取引を識別するためにAIに学習させるデータ処理などに使用されていた。 「Trainium2のリリースによってアマゾンは重要な方向転換を果たし、最終的には競争力のあるカスタムシリコン(カスタマイズされた半導体チップ)を提供する道を歩んでいる」と、セミアナリシスの研究者は書いている。 アマゾンは、2025年後半のリリースを前に「Trainium3」のプレビューを公開した。このチップは「次世代AIトレーニングチップ」として紹介されている。AWSによると、「Trainium3」チップを搭載したサーバーは、「Trainium2」チップを搭載したサーバーと比較して、性能が4倍向上しているという。 AWSのマット・ガーマン(Matt Garman)CEOは、エヌビディアが市場で支配的な地位を占めているため、現在は「GPUには実質的に一つの選択肢しかない」とウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)に話している。 「顧客は複数の選択肢があることを評価するだろうと考えている」 これは業界の他の関係者が指摘し、反応している点でもある。グーグル(Google)は、エヌビディアへの依存を減らすために自社のチップを設計しており、OpenAIも独自のカスタムチップ設計を検討していると報じられている。 しかし社内でシリコンを持つことは、依存の一部を減らすことに過ぎない。