ハリス、トランプ両氏が激戦州で訴え-マスク氏は訴訟に直面
(ブルームバーグ): 米大統領選の民主党候補ハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領は28日、激戦州の労働組合員とキリスト教団体にそれぞれ支持を呼びかけた。
一方、ペンシルベニア州フィラデルフィア地検は、トランプ氏を支持するイーロン・マスク氏による有権者への巨額懸賞金配布の差し止めを求める訴えを州裁判所に起こした。
バイデン大統領はデラウェア州で期日前投票を行った後、マスク氏の懸賞金配布計画を批判した。両陣営とも支持者に投票を促そうと取り組んでいることを浮き彫りにするものだ。
トランプ氏はジョージア州の宗教関連イベントで福音派の有権者らに支持を訴えた。一方、ハリス氏はミシガン州の遊説で製造業を活性化させる自身の計画をアピールした。投票日が8日後に迫り、両候補は選挙戦のラストスパートに入っている。
トランプ氏は25日、人気ポッドキャスト「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」に3時間にわたり出演。27日夜にはニューヨークで集会を開くなど、週末にかけて無党派層や男性有権者の間での支持拡大を目指したが、結果的にハリス氏に攻撃材料を与えることになった。
ニューヨークのトランプ氏の集会では、ステージに立った人物が米自治領プエルトリコなどについて差別的な発言を行い、マイノリティーへの浸透を図るトランプ陣営の取り組みを台無しする形となった。
またトランプ氏はローガン氏のポッドキャストで、半導体製造拠点を米国に回帰させた半導体メーカーに補助金を交付するバイデン政権の目玉政策を批判し、自分なら高関税によって同じ目標を達成できたと発言した。
ハリス氏はミシガン州での遊説でこの2点をやり玉に挙げ、トランプ氏の集会でのプエルトリコに関する発言を批判する一方、国内半導体業界支援法(CHIPS法)のおかげで米国の対中競争力は向上していると指摘。同法によって3億2500万ドル(約500億円)の予備投資を受けたヘムロック・セミコンダクターの同州施設も訪問した。