男性が男性だけに同情する「ヒムパシー」ってなに?【中年男性、トキメキ美容沼へ】
男性が男性だけに向ける同情
以前から気になっていることがあるのですが、男性の著名人(芸能人、政治家、学者、映画監督など)が問題を起こしてニュースになると、なぜか同性の男性がこぞって擁護しはじめるという現象があります。あれはいったい何なのでしょうか。失言、不倫、性加害、その他わりと重めなスキャンダルに至るまで、「少しくらい大目に見てやればいいじゃないか」「彼は悪くない」「あれほどに才能ある男の未来を奪う気か」といった同情が集まる傾向です。なぜか男性は、同性の失敗や問題行動に優しい。オーガニックコットンが地球に優しいように、多くの男性は他のやらかした男性にのみ優しいのです。私はこの傾向がどうにも危険であるような気がして、長らく気にしていました。それが性加害であれば、被害を受けた女性の存在が軽視されてしまうのがよくありません。いったいこの現象はどうしたものかと、私は考えているのです。 【写真】この記事で伊藤さんが紹介した、男女を問わずおすすめのコスメはこちらからチェック! 実は、こうした現象は日本だけではなく海外も同様で、すでに名前がついていました。名付けて himpathy (ヒムパシー)。これは、同情を意味する sympathy (シンパシー)が、男性(him)のみに向けられることから生まれた造語です。そう言われてみれば、たしかに、世間にはヒムパシーがあふれているような気がしませんか? これってすごく怖いことですよね。男女問わずに同情が集まるのであればまだ公平なのですが、女性は同情されないばかりか、逆に責められてしまうため、結果的に男性だけが守られるという一方的な状態が生まれてしまいます。男性はまるで、絶滅危惧種のイリオモテヤマネコやシマフクロウくらい大切に保護されるのです。ずるい! たとえば不倫をした男性政治家は周囲から同情され、立場を失うことはありませんが、同じ政治家でも、女性は過去にラウンジ勤務をしていただけで立候補が取り消しになってしまいます。ラウンジ勤務はただの職業なので問題がないような気がするのですが、女性には別ルールが適用されてしまっているのです。