長谷部誠が語る家族の支え…最終戦直後は“宝物”を抱擁し「説明がつかない感情」
フランクフルトに所属する元日本代表主将の長谷部誠が、24日の引退会見で家族への感謝を伝えた。 18日に現役ラストマッチのブンデスリーガ最終節RBライプツィヒ戦を終えた長谷部。後半ATの途中出場時にはスタジアムが歓声に包まれ、試合終了時にはピッチ上に駆け寄ってきた自身の子どもたちを抱擁し、涙を流した。 高校卒業後に浦和レッズでキャリアをスタートさせ、ヴォルフスブルク、ニュルンベルクを経て、フランクフルトで40歳にして現役引退。その間、2006年から2018年にかけてプレーしていた日本代表では主将としてチームをけん引したほか、ワールドカップ(W杯)3大会に出場した。 長旅に一区切りをつけた長谷部は、「これまで家族についてほとんど語ってこなかったですが…」と前置きし、周囲への感謝を伝えている。 「愛情たっぷりに育ててくれた祖父母、公私ともに全力で支えてくれた姉と妹、娘と息子は皆さんも試合後に見たと思いますが、元気あふれる自分にとっての宝物のような存在です。そして、サッカーを与えてくれて本当に本当に厳しく育ててくれた父親。特に母親と妻の二人に対しては心からの感謝を伝えたいです。母親と僕の両方を知る人はみんな『この母親がいて長谷部誠がいるんだね』と言うんです。見た目も似ているらしいんですけど、とにかく真面目で。世間的に真面目と言われる僕が真面目と言うくらいですから、だいぶ真面目だと思うんですけど、自分という人間を形成する上では一番影響を受けた人物だと思います。本当にあの母親の下に生まれてきて、今大きな喜びを感じています。」 また、2016年にはタレントの佐藤ありささんと結婚。パートナーに対し、長谷部は「妻に関してはとても大きな負担をかけたと思います。サッカーを軸に生きる自分にかなり振り回されたと思う」とこぼし、今度は「彼女の夢というか好きなことを、できれば自分がもっとサポートしていきたい」と誓った。 ラストマッチ終了後に涙を流した理由については「自分でも説明がつかない感情」だと語っている。 「結婚して父親になり、サッカー選手として以前に一人の人間としての変化も多々あったと思うので。子どもたちがピッチに入って抱きしめた時には説明のつかない(感情になった)…」 その際の子どもたちの様子を「娘は黙ってギュっという感じでしたが、息子は2歳なので笑いながら『パパ、えーん、えーん』と言っていましたね(笑)」と明かした長谷部。ヴォルフスブルクでブンデスリーガ、フランクフルトでヨーロッパリーグ制覇を果たした一方、ニュルンベルクでは降格の憂き目にも遭うなど、紆余曲折のキャリアを走り抜いたが、この濃厚なサッカー人生は多くの人々に支えられながら築いたもののようだ。