霧ケ峰自然保護センター 今年度の入館者1万7024人 長野県諏訪市
長野県霧ケ峰自然保護センター(諏訪市)が今季の営業を終了し、今年度の入館者数(4月15日~11月15日)は1万7024人となった。昨年度より約1500人増加し、2014年度以降で最多。ニッコウキスゲの開花状況が良好だったことや全国的な猛暑による避暑地需要の高まりに加え、SNSを活用した情報発信力の強化も奏功した。同センターは「年間を通して多くの方に来ていただいた。今後も訪れた人に霧ケ峰を楽しんでもらい、自然保護について意識してもらえるように取り組んでいきたい」としている。 指定管理者の諏訪観光協会によると、月別では7月が最も多い5111人、次いで8月が4075人。今年はニッコウキスゲが例年より早い6月中旬に開花し、花の数が多い「当たり年」とされた。見頃を迎えた7月上旬の連休には、周辺道路で渋滞が発生するほどの人出となった。 情報発信はホームページのほか、昨年夏からX(エックス)やインスタグラムなどのSNSを積極的に活用。高原の動植物の様子や気象状況、交通情報を頻繁に投稿している。事前に調べて訪れる観光客も多く、施設の認知度向上につながったという。 年間を通して全国的に気温が高かったことも、高原全体での観光客増加の要因となった。夏は涼を求めて首都圏から足を運ぶ人が多く、9月以降も比較的暖かく過ごしやすい気候が続いたため、特に週末には例年以上に多くの人が訪れた。新型コロナによる行動制限が解けたことで、家族やグループ単位の外国人旅行客の姿も見られた。 施設のリニューアル工事を実施した22年度以降、入館者数は右肩上がり。活性化が期待できる一方で、立ち入り禁止区域内での撮影や植物の摘み取りといったマナー違反もあったという。同センター職員は「ボランティアと協力しながらルールやマナーを伝え、施設の役割を果たす必要がある」とし、来年度以降に向けて「混雑緩和のためにも四季折々の霧ケ峰の魅力を発信し、ピークとなる夏以外の楽しみ方も広めていけたら」と話している。 来年度の開館は4月15日の予定。