安野貴博(AIエンジニア)に田原総一朗が直撃 政治はAIで変わるのか?安野は次の選挙に出るのか?
デジタル大臣の河野太郎は有能だったのか
田原このあいだまでデジタル大臣をやっていた河野太郎は、マイナンバーカード普及やキャッシュレス決済を推進したりと、テクノロジー系の政策をわりにがんばっているように見えました。安野さんは先ほど「デジタル庁の仕事を手伝ったことがある」とおっしゃったけど、実際に接した政治家やデジタル庁の官僚は優秀でしたか。 安野デジタル庁はさまざまな委員会を作り、私を含めてITやAIの業界で働いている民間人を委員に招聘(しょうへい)して意見をヒアリングしています。ただし政治家も官僚も肌感覚で民間のことをわかっているわけではありませんし、そもそも物事の意思決定をするスピードが遅すぎるのです。 田原安野さんから見たら、永田町や霞が関はテクノロジー革命に向けて胎動しているどころか、止まって見えるかもしれませんね。 安野もちろんデジタル庁の官僚の中には優秀な方もいらっしゃいますが、トップがテクノロジーについて本当によくわかっているかというと、私は解像度は高くないと思います。 田原河野太郎はデジタル庁のトップとして優秀ではなかった? 安野河野さんがアメリカの大学で学んでいたのは政治学ですし、経歴を見る限り、デジタルの専門家としてのキャリアがあるわけではありません。政治家になる前に民間企業で働いていた時期はあるものの、IT革命とAI革命の最前線で実際に現場を見てこられてきたわけではないでしょう。AIの専門家とは、見えているものの解像度が変わるのは仕方ないと思います。 国会議員の経歴を見ると、そもそも理系のバックグラウンドを持つ議員が非常に少ないですよね。工学部出身者は10%もいないんじゃないですか。ましてや理系の修士号をもっている政治家は数える程度です。 工学部の中でも今最も変化が速く、勢いがあるのは情報技術、コンピュータ・サイエンスです。なのにソフトウェア産業の民間企業で働いた経験がある国会議員は、ほとんど誰もいないわけですよ。これでは凄まじい勢いで変革が進むテクノロジーにキャッチアップし、スピード感をもって政治家が意思決定できるわけがありません。