琴桜 誕生日自ら祝った!「祖父と同じ道」27歳1勝 26歳大関昇進から5場所目で優勝へ
◇大相撲九州場所10日目(2024年11月19日 福岡国際センター) 大関・琴桜が翔猿を引き落として1敗を守り、27歳の誕生日を飾った。同じ26歳で大関に昇進し、しこ名を引き継いだ祖父の元横綱・琴桜は、27歳の誕生日を迎えた67年九州場所が新大関場所で大関5場所目となった68年名古屋場所で初優勝を飾った。孫も同じ27歳、大関5場所目の初Vに挑む展開となった。豊昇龍は琴勝峰を寄り切って2大関と平幕・隆の勝が1敗。阿炎と尊富士が1差で追っている。 大人の相撲だった。琴桜が業師の翔猿相手に見ながら立つ。得意の右四つで組み止めると、右足を引いて差し手も抜きながら引き落とした。豊昇龍らと並ぶ1敗を守った。5連勝中の翔猿戦だが、不十分な体勢で出て危うかった先場所の教訓を生かした。「冷静に慌てずにいこうと思った。立ち合いから反応できたし、勝負どころもしっかりできた」とうなずいた。 27歳のバースデーを白星で飾った。祖父が元横綱・琴桜で父が元関脇・琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)の相撲一家に生まれ、11月19日の誕生日は毎年九州場所中だ。27歳のイメージについて「25、26までは(20代)前半だと思えた。年齢を感じるわけじゃないけれど」と笑う。大関で迎えた初の誕生日に「変わらないです。気持ちを切らさずにその日その日、勝負していきます」と落ち着いていた。 大関2場所目から祖父のしこ名「琴桜」を引き継いだ。その祖父も26歳で大関に昇進しており、まさに同じ道を歩んでいる。琴桜も「追いかけているみたいですね」とその巡り合わせに驚きを隠さない。祖父の初優勝は大関5場所目だった。68年名古屋場所、10勝の横綱・柏戸らを抑えての悲願だった。 これも運命か、孫の琴桜も27歳で今場所が大関5場所目。1敗で優勝争いのトップに立って終盤戦を迎える。「しっかり準備して、結果を求めてやっていくしかない」。偉大なしこ名を継承した大関が導かれるように白星を重ねている。