【独自解説】“徹夜国会”回避の舞台裏…「茂木幹事長が想定外の行動」に
■立憲・安住国対委員長の誤算、“想定以上の岸田首相の頑固さ”
岸田首相の方針が伝えられると、「4日採決でまとめる」と動いていた立憲側の戦略は暗礁に乗り上げました。安住国対委員長は、周囲に対し「岸田首相は本当に頑固だ。国対委員長や幹事長が束になってもひっくり返せるくらい、首相というのは強いんだ」と振り返りました。自民党幹部のひとりは、「結果、茂木幹事長の動きで、安住さんが流れを読み違えたかもしれない」と分析しています。 そしてもう1つ、立憲側が方針変更を迫られた理由がありました。それは、他の野党の動きです。解任・不信任決議案を連発させる立憲の姿勢に、日本維新の会のみならず国民民主党からも「さすがに単なるパフォーマンス」との声が上がるなど、批判の矛先が立憲側に向かい始めていたのです。 立憲側には、年度内の予算成立を不確定にすることで、政府与党を揺さぶりたい狙いがありましたが、結果、岸田首相の想定以上の頑固さに、立憲側が折れた形となりました。
■維新が調整に加わり深夜国会に終止符、「2日採決」で与野党合意
1日午後10時。鈴木財務相不信任決議案を処理する衆院本会議で立憲議員による趣旨弁明が始まると、「きょうはいつまで続くんだ…」という絶望的な空気が与野党に漂いました。 一方、複数の野党幹部によりますと、実はこの時点で立憲は自民党側との交渉が行き詰まり、「条件付きでの2日採決」をのむことを決め、採決までの日程案を自民党側に投げていたというのです。ところが自民党側からは、返事が来なかったといいます。 そうした中、急きょ野党の国対委員長が国会内で集まり、日本維新の会が、自民党との調整に加わることになったのです。自民党側が「立憲に合意を破られないか」と疑心暗鬼となる中、維新の国対幹部が自民党に働きかけ、政治倫理審査会を今後も行うなど条件を付けた上での「2日採決」で与野党が合意に至り、深夜国会に終止符が打たれたということです。