羽田の航空機衝突事故、日航から「救援要請」を受けた中小企業とは リサイクル業社長が明かす航空機解体の裏話
▽資源価格高騰でも活路を探る 「上場企業は順調に利益を伸ばしているが、都市と地方の格差は広がるばかりだ」。記録的な円安を背景とした燃料高や資材価格の高騰などによる厳しい環境は豊富産業グループも変わりがない。だが、活路を探って工夫を凝らしている。 もっと節電できるやり方はないかー。今年6月、豊富産業のオフィス会議室で、高倉社長は社員らとともに、増える経費の抑制策を話し合った。 その結果、24時間の生産体制へ回帰する検討を開始。夜間に稼働すれば深夜残業で人件費は5割増となるが、電気料金の割引分のメリットが大きいためだ。 従業員側の身入りが増えるメリットがあるとの声も出た。夜間労働を減らす時代には逆行するが、背に腹は代えられないという。 中古バスの販売も本格的に始めた。新型コロナウイルス禍で経営が苦しくなった中小・零細のバス会社から大量に買い取り、「自社の広い土地に1~2年置いていた」車両だ。「新車は注文してから2年くらいかかる」とされ、ネットでも販売して北海道から沖縄県まで買い手がいるという。
能登半島地震後には被災地の一般家庭から大量に出る家電を回収し、リサイクルする活動にも真剣に取り組んでいる。 「地方の中小企業は誰もやったことがないことに挑戦しないと生き残れない。少なくとも希望を持って将来に向けての種まきに取り組んでいる」。そう訴える高倉社長の目は真剣だった。