【笹井氏会見速報(2)】生データ見る機会なく「図表だけで見抜くのは困難だった」
STAP細胞論文の共著者で、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長、笹井芳樹氏が16日午後、都内で会見した。主な内容は以下の通り。 【アーカイブ動画】笹井氏の会見をノーカットで見る 今回の論文では複雑な構成だった。最初の構想や着想は若山研。80実験パネルの75が若山研で小保方さん中心に行われた。実験ごとの図表作成も小保方さんによって行われ、私が関わったのは最終段階から。 具体的には2012年12月下旬より、論文原稿の書き直しの協力を開始し、13年3月に小保方さんがリーダーに着任。同月10日にネイチャーに提出。若山さんは多忙だったため、わたしは若山さんの分も含め積極的に代行した。 本論文にかんして過誤をみぬけなかったのは。こうした問題は決してあってはならない。共著者の私が問題を見抜けなかったのは慙愧の念に耐えない。文章の書き上げからさんかしたため多くのデータは図表になっていた。 私は生データやノートを見る機会がなかった。また、小保方リーダーは独立した研究室のリーダーで、私の研究室の直属の部下ではなかったため、ノートを持ってきて見せなさいというぶしつけな依頼をすることが難しかった。図表だけで問題点を見抜くのは困難だった。 今回の研究は複数の著者が入る特殊な共同研究、そのため最終段階の書上げをした私と、第2、3段階を書いたのが別な人間であった。それが2重3重のチェック機能を発揮できなかった誘引のひとつと思う。 過去の実験ひとつひとつを確認するのは現実的困難さ否めない。その中でも若山さんと力を合わせて小保方さんを注意喚起できなかった。その責任は重大であると認識しており、大変申し訳なく思っている。