阿川佐和子さんが挑戦! 帯締めと帯揚げの“コーディネートの妙”とは?
●同じ帯締めで、装う季節を変える
野趣溢れる帯に、柄を組み出した帯締めが調和。帯締めはそのままに、6月の夏単衣には帯揚げを涼やかな銀鼠色(左)に。9月の秋単衣には暖かみのある刈安色(右)の帯揚げを阿川さんがセレクト。 「実際に装うときには、前からはほとんど見えない帯揚げですが、ふとした仕草でお太鼓の脇からチラリとのぞく差し色は、きものならではの醍醐味ですね」。
●同じ帯揚げで、描く女性像を変える
「キリリとした紬に、ピンクの帯揚げを合わせるだけで柔らかな表情になりますね」。そんな発見のあった帯揚げはそのままに、帯締めで印象を変えてみました。 「孔雀色の帯締め(左)は、藍の紬とも馴染み帯の柄の中の一色として選びました。暖色系の帯が引き締まりモダンな雰囲気になりますね」と阿川さん。 一方、海老茶の帯締め(右)を選んだ理由は?「帯に馴染ませることで、帯揚げの色が引き立ってフェミニンな顔立ちに。同じ帯揚げでも、これほど印象が変わるのですね」とコーディネートの繊細な変化を楽しまれました。
レッスンを終え、「“自分らしい”セオリーを見つけるためには、時として失敗も経験のひとつ。まずは好きなように組み合わせてみたい」と阿川さんは語ります。
阿川佐和子(あがわ・さわこ)
作家・エッセイスト 1953年東京生まれ。大学卒業後、テレビ番組でのリポーターを機に、報道番組でのキャスターや司会を務める。映画やドラマに出演するなど女優としても活躍。『週刊文春』(文藝春秋)では対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」を、『婦人公論』(中央公論新社)、『波』(新潮社)他では多くのエッセイを連載。テレビ朝日系列『ビートたけしのTVタックル』『日曜マイチョイス』にレギュラー出演中。『レシピの役には立ちません』(新潮社)他、著書多数。
撮影/伏見早織(本誌) 構成・取材/樺澤貴子