岸田政権による経済政策、企業の約4割で60点以上と評価。中小企業からは辛口の声も
岸田首相は、自民党総裁の任期満了にともなう次期総裁選に立候補しないことを表明し、3年弱続いた岸田政権が終わりを迎えようとしている。在職日数は1,000日を超え、戦後の首相の中で歴代8位、平成以降では安倍氏、小泉氏に次いで3番目の長さとなる見込みだ。 そこで帝国データバンクは、岸田政権のもとで行われた経済関連政策の評価について企業にアンケートを行った。
岸田政権による経済関連政策への評価について、100点満点で評価した場合、何点と評価するか企業に尋ねたところ、点数の分布は「50~59点」が18.7%で最も高く、「60~69点」(16.8%)が続いた。及第点の60点以上を付けた企業の割合を見ると41.5%だった。 大企業は「岸田政権のガソリン補助などの物価高対策は相応に評価する」(70点、機械・器具卸売)など評価する企業が多い。 一方で、小規模企業からは「岸田政権の元では大企業は大きな利益をあげたが、中小企業は逆に厳しくなっている」(40点、化学品卸売)といった厳しい声も聞かれた。 なお、平均は49.3点。
企業からのコメント(抜粋)
・史上最高値を更新した株価のほか、過去最高の税収を記録するなど、さまざまに批判されているほど経済は悪くなく、むしろ良い方向に向かっている(90点、リース・賃貸) ・日銀と連携をしたうえで、諸外国に比べてマイルドな物価高に収めるなど、経済政策面では相応の成果が得られていると思う(80点、金融) ・支持率が低下し世論は「バラマキ」などの批判が多いが、企業業績は向上、株価上昇、賃上げ、企業に対する価格転嫁対策など、結果は出した(75点、輸送用機械・器具製造) ・賃上げとデフレ脱却のきっかけ作りができたのではないか(60点、建設) ・新NISAの導入や円安などによる株価上昇、デフレからインフレへの変化を評価(50点、飲食店) ・大きな施策、対策を講じることができなかったと感じる。個人的には増税の印象が大きい。特に不満としては、円安対策を含め有効な経済政策がなかったこと(50点、紙類・文具・書籍卸売) ・当初経済対策に期待していたが、結果的に定額減税などあまり経済効果が期待できないような政策しかできず、とても残念(40点、建設) ・岸田政権時代にスタートしたインボイス制度や定額減税など、事務処理の手間が大幅にかかるようになった割には、効果がほとんど感じられない。他にこれといった経済政策について思い浮かばない(37点、化学品製造) ・場当たり的な対応が多く、何をした政権なのか印象が薄く、経済効果も感じられなかった(30点、運輸・倉庫) 有効回答企業:1924社 アンケート期間:2024年9月6日~10日