朝ドラ「虎に翼」 女性弁護士から熱い支持「普遍的で胸にしみる」 寅子の奮闘に8割が共感
⚫️法曹界で性別による格差を実感しているのは約6割
法曹界で性別による格差(ジェンダーギャップ)を感じることはあるかを尋ねたところ、「よくある」が18.8%、「ときどきある」が38.0%と約6割が格差を実感していることがわかりました。一方、「あまりない」「全くない」は29.3%と3割未満にとどまりました。
男女別で見ると、「よくある」「ときどきある」と回答した男性45.4%に対し、女性が78.0%と約1.7倍に上りました。女性の意見からは「男性高齢弁護士から『女は怒るべきではない』と言われた」「飲み会の際、何気なくお酌担当にされる」など旧態依然とした実情も見えてきます。
一方で、男性からは「社外取締役の需要が増えており、女性だから採用される場面も多い」「(司法試験の合格者比率は7:3なのに)検察官の説明会で50%女性登用を目指すと機会の平等という意識の欠如にドン引きした」など、女性登用推進の動きが過度だと感じている意見もありました。
⚫️ 格差を感じるのは、依頼者との関係性や育児・介護などの生活面
ジェンダーギャップを感じる人に、実際に格差を感じる場面を尋ねたところ、「依頼者との関係」が61.7%と最も多く、女性弁護士と男性弁護士で依頼者の態度が違うなど、一般の人からはいまだ弁護士=男性と捉えられている実態が見えてきます。 次いで、「生活面(育児・介護など)や体力面に関すること」が59.5%、「採用・就職時の扱い」が40.1%、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」が33.0%などとなりました。 「依頼者は男性の方が威厳があるように捉える」 「産後の復帰予定を伝えたら男性弁護士から『0歳から保育園に入れるなんて可哀そうだね』と言われた」「『女性は出産や育児で辞めるから採用したくない』と何度も言われた」「働きながら育児は難しい。解雇された友人もいた」など複数の女性弁護士の経験談からは、悔しい思いが浮かんできます。
男女別で最も差が大きかったのは、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」。男性が21.4%に対して女性が45.5%と24.1ポイントの開きがありました。次いで、差が大きかったのは、「報酬・給与面に関すること」。男性が11.1%に対して、女性が32.7%で、こちらも21.6ポイントの差が見えました。 女性からは「子どもの急病により委員から外された」「(報酬の高い)企業との顧問契約が結びにくい」「若いと中小企業の代表者からからナメられる」などの声が複数あがっています。一方で、男性からは弁護士同士の話や報酬について、ジェンダーギャップを理由にした不満の声は少なく、男女で認識の差があるようです。 男女差が大きくなかったものとして、採用については、男性からもギャップによる不利益を訴える声がありました。特に「検察官採用は明らかに女性が優遇されていた」「クオーター制度として女性会員を役職に就ける」などで、女性登用が数字ありきになっているとして、抵抗感を示す声も上がっています。