まさかの病死…青酸連続不審死事件 筧千佐子死刑囚の元同棲相手が明かしていた「彼女の人間性」
年の瀬に驚きのニュースが飛び込んできた。12月26日、筧千佐子死刑囚(78)が死亡したとTBSが報じたのだ。 アメリカ極悪犯刑務所の日常 レイプ犯はその日のうちに始末される 「筧死刑囚は大阪拘置所に収容中で、死因は病死とみられています。筧死刑囚は’07~’13年に京都や大阪、兵庫で起きた連続不審死事件で、夫や交際していた高齢男性4人に猛毒の青酸化合物を飲ませて、うち3人を殺害した罪などに問われていました。一審・二審ともに死刑判決が下され、’21年に最高裁が上告を棄却して、死刑が確定していました」(全国紙記者) 筧死刑囚は’22年9月、兵庫の事件について京都地裁に再審請求をした。だが、今年3月に棄却。即時抗告して大阪高裁で審理が続けられているところだった。 「FRIDAYデジタル」では死刑が確定した際、’21年8月に元交際相手の男性のインタビュー記事を掲載している。その記事を再録する(年齢や肩書は当時のまま)。 「彼女はとにかく頭の良い女でした。だからこそ、男が望む女性像を演じられた。実際、こんな自慢もしていました。『私は女中でも品の良い奥様でも何にでもなれる』と。彼女はそのための勉強もしていた。哲学書や経済書から料理本まで、凄まじい数の本を読んでいました」 ’07~’13年にかけて京都、大阪、兵庫で夫や交際相手の男性ら4人に青酸化合物を飲ませ、3人を殺害した罪などに問われていた筧千佐子被告(74)。21年6月29日、最高裁は上告を棄却、これにより筧被告の死刑は確定することとなった。 罪に問われた3人を含め、夫や内縁関係にあった男性が次々と不審死していることから、筧被告は「毒婦」とも称される。なぜ彼女は、最高裁で「人命軽視の態度が著しい」と断ぜられるほどの凶悪な犯行に手を染めたのか。 冒頭の発言の主は、作家のA氏(75)。筧被告と同棲していた元交際相手だ。A氏の証言から、筧被告の過去と素顔を探った。 「千佐子と知り合ったのは、’97年前後の夏頃でした。結婚相談所主催のお見合いパーティに彼女が来ていたんです。千佐子は当時、50歳を迎える頃でした」 ’46年に生まれた筧被告は福岡県北九州市で育ち、名門・東筑高校を卒業後、住友銀行の地元支店に就職した。’69年に結婚した印刷会社経営者の夫が死亡したのが’94年。このとき、2000万円を超える借金を背負ったとされる。 「出会ってすぐに交際に発展しました。1~2ヵ月デートして、秋頃から私のアパートで一緒に暮らし始めると、彼女は高価なソファや蔵書、それに大量の鉢植えなどを持って引っ越してきた。千佐子が私に、同じ北九州の出身だと明かしたのはこの頃です。 当時、千佐子は偽名を使って男性に女性を紹介する斡旋業みたいな仕事をして稼いでいたようです。ヤクザのような男から電話があったこともありましたが、千佐子は堂々と応対していました。『ビビったら舐められるのよ』と言っていて、肝っ玉の大きい女だなと思いましたね」 筧被告との同棲生活は、まさしく愛の日々だったという。 「強烈に覚えているのは、彼女はとにかく床上手だったということ。セックスが好きというより、男が望むことを察知するのが上手なんです。ときに甘えたりときに上になったり。恥ずかしい話ですが、同棲中は毎日身体を重ねました」 故郷の話以外はほとんど過去について話さなかった筧被告だが、寝物語で男性遍歴を聞かされたこともあるという。 「私の前に付き合っていた男は年金の18万円しか収入がなかったとか、土地持ちと交際したけど無学だったから別れたなどと言っていました」 A氏との同棲生活は、1年足らずで終わりを告げた。そのきっかけは、カネにまつわる話だったという。 「当時、私は作家業の傍(かたわ)ら造園業も経営しており、財産は姉に管理してもらっていた。それを千佐子に伝えると『お姉さんに任せるなんて』と落胆した様子でした。それと、私が所有している山に連れて行ったときに千佐子が捻挫したことがあったんですが、それ以来、『治療費をよこせ』としつこく言ってくるようになった。辟易(へきえき)して、同棲から1年後くらいに別れ話をしたら、私にビンタを3~4発して出ていきました」 その後、筧被告は結婚相談所やお見合いパーティで男を漁(あさ)り、婚姻・内縁関係を結んだ相手と死別、というパターンを繰り返していく。筧被告が手にした遺産は総額10億円に上るとも言われる。 幸運にも生き残ったA氏は、彼女の人間性についてこう語る。 「いま振り返ると、ドルやユーロを買っていましたし、絵画や骨董品も持っていた。カネだけを信用していたんでしょう。ただ、犯行に及んだのは、カネだけが理由じゃないように思います。私も含めてですが、千佐子は男を見下していた。レベルの低い男を手に掛けることに、罪の意識はなかったんじゃないかと思います」 交際相手の命を本当に軽いと思っていたのだとすれば、筧被告の罪はあまりにも重い。 『FRIDAY』2021年7月23日号より
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