吉高由里子「光る君へ」撮影を回想「佑くんが道長で良かった」柄本の剃髪時は現場で立ち会い
吉高由里子(26)が主演するNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8時)が、15日に最終回を迎える。吉高はこのほど、放送を前に行われた取材会に出席。1年半に及んだ撮影や“ソウルメイト”となった柄本佑(37)への思いを語った。 【写真】紫式部を演じる主演の吉高由里子と藤原道長役の柄本佑 クランクアップした吉高は、黒髪から明るめの髪色にヘアチェンジ。平安時代を生きた劇中での印象からガラリと変わった姿で取材会場に現れた。長きに渡る撮影を終えての気分転換。「さみしい気持ちもありますけど、終わった反動ですかね?」と屈託ない笑顔を浮かべた。 吉高演じる紫式部を主人公に、1000年の時を超える長編小説「源氏物語」を生み出した女流作家の波乱の一代記を描いた一作。クランクアップの瞬間、涙は出なかったという。ただ、スタッフが制作した1話から最終話までを振り返る映像を見ながらこの1年半を回想。寂しさや安堵(あんど)感も感じたのもつかの間だった。 「その時は泣かなかったけど、監督が花束を持ってきた時に号泣していて。それを見てもらい泣きしちゃった。凜(りん)として終わりたかったのにダメでしたね」 万感の思いとともに、まひろを演じ終えた。 劇中では柄本が演じた藤原道長が、まひろにとって“最愛の人”となる。その存在について問われると「画面見たらわかるじゃん。私の言葉いらない(笑い)」と顔をほころばせた。身分の“壁”はあれど、幼いころに出会い、ふたりの間には特別な絆が生まれる。劇中では互いを思い合う描写や演出が、物語にグラデーションを生んだ。「月を見上げる描写が多かったと思うんですけど、それって、イコール=まひろ、道長を思う描写。月がない日はない、じゃないけど、常ににいない日はないくらい一心同体。お互いの生きている糧の存在だったんじゃないかなと」と思いをはせた。 柄本は劇中での出家シーンにあたり、約2年かけて伸ばした地毛をそった。吉高も自らの意志で、髪をそる現場に立ち会ったという。「全部地毛でやるっていう気持ちも入っていますし、大事にしてきた物を切り落とされる瞬間っていうのは私も見ていたいなと」と当日を回想。切り落とされていく髪を見て「なんていう感情なのか分からない感情が込み上げてきた。そういう瞬間を一緒に見られて、共に戦ってきたというか。そういう感覚になりました」。柄本の役に抱く思いを感じていたからこそ、寄り添う選択をした。 まひろの人生に道長がかかせなかったように、吉高にとっても柄本の存在なしで「光る君へ」は語れない。「佑くんが道長で良かったなと思います。情けない三郎(幼名)の部分の道長も、恐ろしい道長になっている部分も、表情がコロコロコロコロ変わって。表に見えている自分と内に秘めている自分の差ってあると思うんですけど、人間の生々しさを表現する役者さんのお芝居を1年半も近くで見ることができたのはすごくぜいたくな事だなと感じますね」。何ものにも代え難い“パートナー”となった。 ◆最終回あらすじ「物語の先に」 まひろ(吉高)は倫子(黒木華)から道長(柄本)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。全てを知った倫子は驚きとともに、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。やがて時がたち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き…。