【ライブレポート】ClariS(クラリス)、現体制最後のツアーを完走!「みんなにお別れの挨拶はしません」(カレン)
■「この10年間、1日も幸せじゃなかった日はなかったです」(ClariSカレン) 2人組ユニットClariS(クラリス)の、クララ、カレンによる現体制での最後となるツアー『ClariS AUTUMN TOUR 2024 ~Via Fortuna~』のファイナルが、11月10日に大阪・Zepp Namba(OSAKA)にて開催された。 【画像】ハグをするClariS 当ツアーは10月26日に東京・LINE CUBE SHIBUYAでスタートを切り、11月2日・3日の神奈川・カルッツかわさきでの公演を挟み、全5公演を開催。なお、当ツアーをもって、カレンの卒業が発表されていた。クララとカレンの集大成となるツアーは定番の代表曲から最新曲まで、ふたりの歴史を詰め込んだセットリストで来場者を魅了した。今回は、メンバーにとっても来場者にとっても感動的な忘れられない一夜となった、ツアーファイナルの模様をレポートする。 【ライブレポート】 オープニングでは、ClariSファンにはおなじみの劇作家・振付師の熊谷拓明扮する“ClariS城”の執事KUMAが、ユニットのこれまでの物語を読み上げる。そしてステージに姿を現したクララとカレンは「Clear Sky -2024-」を1曲目に歌唱。この曲は10月23日にリリースされたベストアルバム『ClariS ~SINGLE BEST 2nd~』の収録曲で、2014年に発表されたカレン初参加楽曲の新録バージョン。 ClariSはかつて仮面で素顔を隠した状態で活動を行っていたが、ふたりはその頃の軌跡を辿るように再び仮面を身に付け、クララとカレンの始まりの曲を届けた。さらに、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニングテーマとして知られる代表曲「コネクト」もライブ序盤に惜しみなく披露した。 その後も執事KUMAの語りを挟みながら、ClariSの歩みを現在まで回想していくようなセットリストでライブが進行。いったんステージから捌けたのち、仮面を外して再登場したクララとカレンは「Prism」や「CLICK」をパフォーマンスし、大きな盛り上がりを生み出していく。クララはツアーの開幕前に左膝をケガしてしまうアクシデントに見舞われたが、可能な範囲でカレンとともに華麗なダンスを披露し、最初のMCでは「一つひとつの言葉を噛み締めて歌っていきたいと思います」と意気込みを口にした。 「blossom」ではクララとカレン、さらにはステージ上段に登場した執事KUMAもファンとともにパステルピンクとパステルグリーンのペンライトを手に持ち、会場に大きな一体感を作り出した。 10月にはベストアルバムの他、“秋”をテーマにしたコンセプトミニアルバム『AUTUMN TRACKS -秋のうた-』をリリースしたClariS。ライブ中盤にはシリアスなラブソングである新曲「秋のグラディエント」、松田聖子「風は秋色」や小泉今日子「木枯しに抱かれて」をはじめとするカバー曲など、ミニアルバムの収録曲5曲がメドレー形式で次々に披露され、この季節ならではの哀愁が漂った。 続いてClariSはクララとカレンの体制で初めてリリースしたシングルのタイトル曲「border」を披露し、観客と一緒に思い切りタオルを振り回す。さらに、アニメ『リコリス・リコイル』のオープニング主題歌として知られる「ALIVE」など、ふたりで世に届けてきた楽曲の数々で観る者の心を熱くさせた。 執事KUMAとともに辿ってきたクララとカレンの物語は、ついに終盤へ。彼女たちは「ふぉりら」「コイセカイ」といった最近の楽曲をパフォーマンスして会場をよりいっそう盛り上げたかと思えば、ふたりにとって思い出深い楽曲である「recall」「君がいると」「アイデンティティ」「陽だまり」をメモリアルメドレーとしてしっとりと柔らかに歌い上げる。 そしてクララとカレンはライブの終わりが近付いていることを惜しみつつ、ベストアルバム『ClariS ~SINGLE BEST 2nd~』に収録された新曲「Evergreen」を晴れやかに歌唱。“君をそばに感じてる” “離れてても 大丈夫 君の明日を信じて…”など、ふたりの互いの想いや関係性を言葉にした歌詞が、優しい歌声とともに観客の胸に染みわたる。曲の最後、クララとカレンがふたりの絆を確かめるように抱き合うと、温かな拍手が湧き起こった。 アンコールでは、2014年にリリースされたクララとカレン体制初シングルのカップリング曲「Reflect」が披露され、“大切な今日がずっと ずっと続けばいい”というメンバーとファンの心情とリンクする歌詞が響きわたる。その後、カレンはClariSの新メンバーに誘われたときのことを回顧しつつ、「普通だったらありえないことをクララとだから叶えてこられたし、クララの背中はすごく大きくて。右も左もわからないカレンを引っ張っていかなきゃという優しさと逞しさがクララのことを大きく見せていただけなんだって、ずっと一緒にいてわかりました。うしろをついていくばかりじゃなくて、堂々と自信を持って隣に並べるようになりたいなと思いました」と話しているうちに目に涙を浮かべる。 彼女はファンに対しても感謝の気持ちを伝えると、「この10年間、1日も幸せじゃなかった日はなかったです」と観客にまっすぐな瞳を向けて断言。「出会うことが本当に大好きなんです。でも、だからこそ人一倍お別れが苦手です。だからみんなには『さよなら』だったり『バイバイ』って言わないでおこうと思います。同じ“Clear Sky”の下で繋がっていると思うから、みんなにお別れの挨拶はしません。その分、カレンのことを幸せにしてくれたクララ、ずっと支え続けてくれたみんなが今以上に、何倍にも幸せに過ごせますようにって、そばでずっと願い続けています」と言葉を紡いだ。 カレンが思いの丈を話し終えたあと、今度はクララがこのステージのために用意してきた手紙を読み上げ、観客の涙を誘う。クララは「ふたりで武道館でのワンマンライブの夢も叶えました。あのとき感じた幸せと悔しさはずっと忘れないし、いつかカレンの想いを連れて、またワンマンライブであのステージに立ちたいと思っています。そのときはぜひ一緒に感動を味わいに来てね」とカレンに呼びかけ、「先週の川崎公演で『クララの思い描いていた10年後とは違ったかもしれない』と話してくれたけど、私の想像よりも何倍も、何十倍も素敵で愛に溢れる10年後になっていて、本当に幸せです」と感謝の想いを口に。「誰よりも大切で、守りたいと思えるカレンという存在に出会えたことが私の誇りで、一生の宝物です。10年間、私の隣で笑ってくれていてありがとう」と涙ながらに愛を伝えた。 胸の内を語り合ったクララとカレンがふたりで最後に歌った楽曲は、2020年のデビュー10周年のタイミングで発表した「PRECIOUS」。ふたりは見つめ合いながら歌い、“大好き”という歌詞をファンとともに叫び合った。 PHOTO BY 平野タカシ <セットリスト> 1.Clear Sky -2024- 2.コネクト 3.仮面ジュブナイル 4.Prism 5.CLICK 6.again 7.Gravity 8.SHIORI 9.blossom 10.秋ソングメドレー -秋のグラディエント -風は秋色 -木枯しに抱かれて -月のしずく -思秋期 11.border 12.ヒトリゴト 13.CheerS 14.アリシア 15.ALIVE 16.シニカルサスペンス 17.ふぉりら 18.コイセカイ 19.メモリアルメドレー -recall -君がいると -アイデンティティ -陽だまり 20.Evergreen 〈ENCORE〉 1.Reflect 2.PRECIOUS リリース情報 2024.10.16 ON SALE MINI ALBUM『AUTUMN TRACKS -秋のうた-』 2024.10.23 ON SALE ALBUM『ClariS ~SINGLE BEST 2nd~』 2024.11.10 ON SALE DIGITAL SINGLE「ヒトリゴト- From THE FIRST TAKE」
THE FIRST TIMES編集部