「八尾の町を花いっぱいに」 児童が育てたマリーゴールド、地域に配布
八尾市立安中小学校の児童が花を育て、地域に贈る活動に取り組んでいる。こうした活動に主体的に関わり、住民に喜ばれる経験は、子供たちの自己肯定感の高まりにも効果があるという。来月には街頭で児童らが育てた花の苗を配る計画も立てている。 【写真】マリーゴールドの苗を袋詰めする児童 「袋の底を平らにして、そっと入れるんだよ」 27日の休み時間。3、6年生の児童有志約50人が声をかけ合いながら、マリーゴールドの苗約480株を丁寧に袋に収めた。全児童が家庭に持ち帰るための作業で、真鍋裕子校長は「マリーゴールドの花言葉は『逆境を乗り越えて生きる』。家庭で花を囲み、人権を考えてほしい」と取り組みの意味を話した。 花を育て児童に思いやりの心を育んでもらおうという法務省の人権の花運動。昨年度、対象校に選ばれた同校は育てた苗を地域の人に配布した。単年度の取り組みだったが、苗を受け取った住民に喜ばれ、児童が「次の学年の子にもこの喜びを知ってほしい」と活動の継続を要望。今年度は児童主体のサークル活動として続けている。 活動を見守る校務員の木田一芳さん(69)はかつて農業高校の校長も務めた栽培のプロ。サークルメンバー19人が中心となり、理科の授業で3年が種をまき、朝夕の水やりは他の委員会活動の児童が担うなど学校全体で取り組む。 木田さんや真鍋校長によると、今年も近隣住民に「楽しみにしている」と声をかけられることも。「日頃助けられる立場の児童が地域の人に感謝される経験は、自己肯定感を高めることにもつながっているようだ」と喜ぶ。 6年の野呂心結菜さん(11)は「ホースを使うと水温が上がるからジョウロで水やりをする」などと工夫を話し、「町の人が笑顔で暮らせるよう、八尾の地域を花でいっぱいにしたい」と笑顔を見せた。 ◇ 児童らは7月5日午後3時から、JR八尾駅前で苗100株を配る。先着順。