椅子や食器だけではないんです!北欧家具の人気デザイナーたちが手がけた名建築、いくつ知ってる?【北欧インテリア】
日本で根強い人気を誇る北欧のインテリアやデザイン。現在でも愛される名作家具を数々と生み出した北欧デザインの巨匠アルヴァ・アアルトや、「エッグチェア」「スワンチェア」などを生み出したアルネ・ヤコブセンですが、実は多くの建築を手掛けていたことはご存知でしたか?そんな北欧建築家・デザイナーの巨匠が手掛けた名作建築に注目。人気スタイリスト黒田美津子さんのアアルト自邸の訪問記や、造園家の齊藤太一さんが実際に訪れて感じた北欧体験記もラインナップします。 【写真集】アルヴァ・アアルトの名建築
【アアルト代表作】アアルト自邸/フィンランド・ヘルシンキ
北欧デザインの巨匠、アルヴァ・アアルト。フィンランド生まれのアアルトは、北欧インテリアに欠かせないスツールや照明などの家具をデザインしたことで有名ですが、実は優れた建築を残した人物でもあります。アアルトが生涯に手掛けた建築は実に200作品以上!家具や照明、フラワーベースなどのデザイン作品は40以上といわれていますが、それをはるかに超える建築作品を残しているのです。 【アルヴァ・アアルトの代表的な建築10】 1.アアルト自邸 2.アアルトスタジオ 3.マイレア邸 4.パイミオのサナトリウム 5.ヘルシンキ工科大学 6.レストランサヴォイ 7.アカデミア書店 8.セイナッツァロの村役場 9.フィンランディアホール 10.ラッピアホール そんなアアルトの建築で、まず行ってみたいのは1936年にアアルトが自ら設計して建てた自邸。1955年にアアルトスタジオが完成するまでは、アトリエとしても使われました。白い壁の空間に木材やレンガなどの自然素材を取り入れ、モダンな雰囲気ながら温かみを感じる空間になっています。内装の家具の一部も自身がデザイン。仕事場とプライベート空間は、内外装ともに使用素材を変えることで差別化されています。
【ヤコブセンの代表作】SASロイヤルホテル/デンマーク・コペンハーゲン
北欧モダンデザインの原型をつくり上げ、20世紀最も影響力をもった建築家・デザイナーといっても過言ではない巨匠アルネ・ヤコブセン。デンマークで生まれたヤコブセンは完璧主義と呼ばれ、建築だけでなく家具や照明など細部までこだわる名作家具は、今も世界中で愛されて続けるロングセラーとなっています。 建築作品では近代機能主義を取り入れて余計な装飾を行わず、使い勝手を重視したヤコブセン。建築作品の多くは、ヤコブセンの故郷デンマークにあります。 【アルネ・ヤコブセンの代表的な建築7選】 1.SASロイヤルホテル/デンマーク・コペンハーゲン 2.デンマーク国立銀行/デンマーク・コペンハーゲン 3.オックスフォード大学 セント・キャサリンズ・カレッジ/イギリス・オクスフォード 4.テキサコのガソリンスタンド/デンマーク・シャーロテンルン 5.ベルビュー海水浴場監視塔/デンマーク・クランペンボー 6.ベルビューシアター/デンマーク・クランペンボー 7.オーフス市庁舎/デンマーク・オーフス 「SASロイヤルホテル」は1960年にコペンハーゲン中央駅そばに建設されたデンマーク初の高層ビルで、モダニズム建築の代表作の1つ。 内装デザインや客室内の家具、照明、ドアノブなど細部にまでヤコブセンが手掛けており、ヤコブセンの代表作である「エッグチェア」「スワンチェア」もこのホテルのためにつくられたのだそう。 2018年にデンマーク出身の建築家、スペース・コペンハーゲンによって大規模な改修が行われ、現在は「ラディソン・コレクション・ロイヤル・ホテル」として愛されています。このホテルの606号室は、ヤコブセンがデザインしたままの状態が残っている唯一の客室として、今でも人気です。