羽田の豪州発着枠、カンタス本体へ1枠再配分 条件付き
豪州の国際航空サービス委員会(IASC:International Air Services Commission)は、カンタス航空(QFA/QF)が申請した羽田空港の昼間時間帯発着枠について、同社へ条件付きで割り当てると発表した。ヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)のケアンズ-羽田線運休に伴い再配分となった週7枠(1日1枠、1枠は1往復)分で、カンタスは保有済みの発着枠を含め、シドニー・ブリスベン・メルボルンの3路線を運航を計画している。 【写真】羽田から撤退する豪ヴァージン カンタスは発着枠の使用について、カンタス本体のほかグループ航空会社で活用すると申請していた。これに対しIASCは、カンタス本体のみに割り当てる決定を下した。グループ会社が就航する場合は、IASCの許可が必要になる。 割り当ての有効期間は、2025年2月25日から5年間。IASCはカンタスに対し、4月30日までに路線を開設することを求めている。 IASCへの申請によると、カンタスは3路線を2025年夏ダイヤ初日の3月30日から、1日3往復ずつ計画している。同社はブリスベン-羽田線を週3往復で2022年12月に、メルボルン-羽田線を週4往復で2023年3月に開設。2路線合計で週7往復を運航し「1枠分」を使用していたが、現在の昼間枠はシドニー-羽田線に切り替えており、同路線は深夜早朝帯を含め週14往復(1日2往復)運航している。 再配分する発着枠は、2020年夏ダイヤで割り当てられたもので、日本の国土交通省航空局(JCAB)は増枠した50枠のうち、4枠を豪州向けに配分。日豪両国で2枠ずつ使用し、カンタス航空と豪ヴァージンへ1枠ずつ配分した。 豪ヴァージンはケアンズ-羽田線を2023年6月28日に就航したが、2025年2月23日の運航を最後に運休する。同社は運休について、コロナ後の日本発需要の回復遅れを理由に挙げており、「撤退は厳しい決断だが、東京への自社便の運航はもはや商業的に成り立たない」と説明している。同路線は就航以来1年8カ月での撤退となる。
Yusuke KOHASE