まさかの電撃休養「松井ライオンズ」とは何だったのか? “シーズン100敗ペース”低迷を招いた「新外国人問題」「現場とフロントのズレ」
5月26日、交流戦を前に松井稼頭央監督が休養となり、渡辺久信GMが監督代行となった西武ライオンズ。指導経験を積み、満を持して一軍の指揮官となったレジェンドが率いた1年半とは何だったのか。その歩みを振り返り、残された課題を読み解く――。(全2回の第1回) 【現地写真】「そんな顔しないでくれ…」松井稼頭央監督が去り際に見せた表情&偉大なスーパースターが愛する本拠地を去るまでを現役時代から写真で見る 5月28日に開幕した交流戦から指揮をとる渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)兼監督代行の下、西武は中日、巨人との最初の2カードを3勝3敗。45試合終了後の監督交代という“劇薬”に選手たちは危機感を強める一方、すぐに結果が著しく変わったわけではない。 ペナントレースはまだ折り返し地点に達していないなか、果たして最下位・西武は巻き返すことができるだろうか。
シーズン100敗ペース
「これは松井監督だけの責任じゃないですし、私もチームを全体的に見る立場として非常に申し訳ない。そして責任を感じているところであります」 松井稼頭央監督の“電撃休養”が発表された5月26日、就任会見で渡辺GM兼監督代行が言ったように、プロ野球チームの成績は監督の手腕だけで決まるわけではない。試合では投手対打者の勝負を繰り返すという競技特性上、個々の力量が勝負の行方に大きな影響を及ぼす。 ゲームで“駒”となる選手たちをいかに集め、発展途上の選手をファームでいかに育て上げていけるか。チームの戦力を大きく左右するのは編成と育成だ。 一軍にベンチ入りする26選手に実力をどう発揮させ、1つでも多く勝利を手繰り寄せるか。そのマネジメント能力と采配こそ、一軍監督に求められる手腕と言える。 以上を踏まえ、改めて“松井ライオンズ”を振り返ってみたい。 以下は、松井監督が2年目に休養となるまでのチーム成績だ。 2023年:65勝77敗1分、勝率.458 2024年:15勝30敗、勝率.333 2年合計:80勝107敗1分、勝率.428 昨年パ・リーグ最下位の日本ハムが勝率.423だったので、松井監督の下で西武はそれくらい勝てなかったと言える。特に今季は低迷し、“100敗”ペースで負けを重ねた。