まさかの電撃休養「松井ライオンズ」とは何だったのか? “シーズン100敗ペース”低迷を招いた「新外国人問題」「現場とフロントのズレ」
不発の新外国人2人
実際に今季、阪神、DeNA、ヤクルト、ロッテ、ソフトバンク、楽天の6球団はNPB経験を持たない新外国人打者を支配下で獲得していない。 対して西武は、昨季127試合で打率.259、15本塁打のデビッド・マキノン(現在は韓国のサムスンに所属)と契約更新に至らず、元メジャーリーガーのヘスス・アギラーとフランチー・コルデロを獲得した。 だが、いずれも不本意な成績に低迷している(成績は6月2日時点)。 アギラー:30試合、打率.204、2本塁打、10打点、OPS.575 コルデロ:20試合、打率.141、1本塁打、4打点、OPS.383 特に前評判が高かったのがアギラーだ。2018年にはメジャーリーグで35本塁打を放ってオールスターにも出場し、今季開幕前のオープン戦を見た解説者からはシュアなバッティングを評価する声が多かった。
今のままでは、相手の攻め方が変わらんよ
だが蓋を開けてみれば、早いカウントではストライクの球を打ちにいかず、後手に回って凡打を重ねる。そうしたアプローチに西武の打撃コーチは不満をこぼした一方、球団はアギラーの傾向を知った上で獲得を決めたという。5月5日のソフトバンク戦後、平石洋介ヘッド兼打撃戦略コーチはこう話した。 「外国人選手の渉外担当に話を聞いても、『アギー(アギラーの愛称)のスタイルはガンガン積極的にバットを振るタイプではない。球を見て、見ていく』と。それはこちらもリスペクトしてあげないといけないところもあると思います。『何でもかんでも振りにいけ』っていうと悩んでしまうと思うので。ただ、今のやられ方が大体1、2打席目はポンと真っすぐ(でストライクを取られて)なので……」 この日の試合前に平石ヘッドはアギラーと話し、「今のままでは、相手の攻め方が変わらんよ」と伝えたという。 「今、アギーがやろうとしている(スイングを仕掛ける)タイミングと、相手の(ストライクを取りにくる)配球のタイミングが全然かみ合ってない。こっち側から仕掛けていかないと、全部が全部ではないですけど、向こうの配球は変わらないので。アギーの今までのスタイルはもちろん理解しないといけないけど、だいぶ後手に回っていますよね。ほんまに苦しいと思います」