まさかの電撃休養「松井ライオンズ」とは何だったのか? “シーズン100敗ペース”低迷を招いた「新外国人問題」「現場とフロントのズレ」
外国人選手への見切りの早さ
西武はアギラーの打撃スタイルを知った上で獲得したが、日本の投手にうまく攻められて実力を発揮できなかった。 加えてアギラーの子どもはまだ小さいため、単身赴任で来日(夏頃に家族は来日予定だという)。日本の環境は母国ベネズエラや長く暮らしたアメリカとさまざまに異なるため、一人だけで異国で暮らす苦労もあるはずだ。 そして右足首痛が重なり5月8日、登録抹消に至った。 一方、コルデロは不振で4月15日に二軍へ。打席ではボールになる変化球を振らされ、守備でもチームの足を引っ張った。
外国人選手の出場機会をいかに確保するか
だが、シーズン序盤に登録抹消という判断は正しかったのだろうか。そう思うのは以前、あるエージェントがこんな話をしていたからだ。 「すべての外国人選手は渉外担当が実力を評価した上で獲得しています。大事なのは、いかに彼らに力を発揮させる環境をつくるか。適応する時間も含めて、打者なら少なくとも200打席は必要です。特に元メジャーリーガーはプライドも高いので、二軍に落とすべきではありません。球団によっては二軍の環境は良くないし、モチベーションを落とさせてしまいますから……」 コルデロはイースタンリーグの22試合で打率.244、4本塁打、OPS.750だったが、成績以上に重要なのは、二軍での打席経験が果たして一軍で生きるのかという点だ。それくらい、同じNPBでも一軍と二軍には大きな差がある。 実際、コルデロは5月28日に再登録されたが、期待されたような結果は出せなかった。そして6月3日、再び登録抹消となっている。
現場とフロントのズレ
結果論になるが、上記のエージェントも言うように、新外国人選手に実力を発揮させるにはシーズン序盤にもう少し我慢して一軍でチャンスを与えておくべきだった。もし首脳陣が我慢し切れないなら、フロントはそもそも“リスキー”な新外国人打者を獲得すべきではない。この現場とフロントのズレが、西武が抱える2番目の問題点だ。 渡辺GM兼監督代行に「十分に戦力を供給できていると思うか」と質問した際、気になったのが外国人選手についてしか言及がなかったことだ。この点にこそ、近年の西武における最大の問題があるのではないか。そこで筆者は2つ目の質問をした。 <つづく>
(「プロ野球PRESS」中島大輔 = 文)