エース郡司璃来がハット達成!市立船橋が高川学園に4発快勝で2回戦へ
3年ぶり24度目の出場で6度目の選手権制覇を狙う千葉県代表の市立船橋。29度目の選手権出場を果たした山口県代表の高川学園。12月29日、千葉県の県立柏の葉競技場で開催された第102回全国高校サッカー選手権1回戦の第1試合で、実力と実績を兼ね備える両チームが対戦した。 【フォトギャラリー】市立船橋 vs 高川学園 地元の大声援を受ける市船は、高いスキルを前面に開始から試合の主導権を奪取。太田隼剛と白土典汰のボランチがピッチを縦横に動きながら起点となり、久保原心優をターゲットに相手陣内にボールを運ぶ。開始6分には、エースの郡司璃来がゴール前へのカットインからシュートに持ち込み早くも先制に成功。 その後も相手陣内でゲームを進める市船に対し、田坂大知と山本吟侍の2トップへボールが入らない高川。市船は10分にも太田が倒されて得たPKを、郡司が落ち着いて決めて点差を広げることに成功する。 2点差とされた高川だが、「得点したあとの試合運びに課題があった(波多秀吾監督)」という市船に対して、高い位置からボールを奪って反撃していくと、35分にCKから佐藤大斗がヘディングを決めて1点差。前半を1-2で折り返す。 前半の内に1点を返してき高川に対し、相手の勢いを止めたい市船。勝負のかかる次の一点を決めたのは市船の久保原。後半開始直後の鋭い動きからゴールを奪い、再び高川との点差を2点とする。高川も伊木樹海を前に上げるシーンを増やし攻勢に出ようとするが、市船はCB五来凌空やGKギマラエスニコラスが落ち着いた対応を披露。 相手の牙城を崩せず焦りの見える高川に対して、市船は61分にも郡司がこの日自身ハットトリックとなるゴールを決めてトータル4-1。そのまま高川の反撃を抑えきって31日の2回戦進出を決定した。 「立ち上がりのところで2失点したところ。後半もそうだけど、立ち上がり・・」 試合後に高川の江本孝監督が振り返ったとおり、市船の奪った前半の2得点と後半最初のゴールが試合の流れを大きく決めた。高川が作ったチャンスシーンの数は市船に大きく後れを取らなかった。それでも3点差がついたのはやはり決定力の差だろう。 中でも先制ゴールとダメ押し弾となった4点目を決めた郡司の決定力は光った。 「注目が集まる中で謙虚にやってほしい」 そう語る波多秀吾監督の期待に最高の結果で応えてみせた。試合後の波多監督は「前からいけないときにどう試合をコントロールするか、ペースを取られるときにどう対応するか(波多監督)」と反省点を口にしたが、取るべき人が取っての快勝スタートは御の字だろう。青の強豪と呼ばれる優勝候補にとって、まずは順調なスタートといったところだろうか。 (文・写真=藤原裕久)