対イスラム国「有志連合」 なぜポーランドやデンマークが参加? /高橋和夫・放送大学教授
デンマークの人口は560万強です。北海道の人口より少し多い程度です。そのうちの3.7パーセントはイスラム教徒です。北欧が多くの移民や難民を受け入れてきた結果です。そして、デンマークに生活するイスラム教徒の中にイスラム国の支持者も少数ながら存在しています。なかには中東でイスラム国の兵士として戦っている若者もいます。こうした兵士が帰国しテロを起こすことをヨーロッパ諸国は心配しています。デンマークも例外ではありません。イスラム国の成功は、アメリカより前にヨーロッパに対する脅威となるでしょう。 また、あまり報道されませんが、ノルウェーやデンマークの石油会社がイラク北部のクルド地域で操業しています。北欧の石油会社が北海の海底油田の開発で培った技術力は、世界的にも高く評価されています。イスラム国がクルド地域を支配するようになれば、撤退を余儀なくされます。それを阻止したいとの経済的な利害もデンマークにはあります。日本人が思う以上に北欧は中東に近いのです。