[MOM4886]徳島市立DF好浦悠仁(3年)_旧友がそろう地元のチームには負けられない!! ミスから同点弾献上もヘッド2発で窮地を救う!!
[11.2 選手権徳島県予選準決勝 徳島市立高 4-2 鳴門高 徳島市民球技場メイン] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 「相手は好浦にとって地元の高校だし、頑張ってくれるだろうなと」。徳島市立高の河野博幸監督は期待を込めて、DF好浦悠仁(3年=鳴門一中)をピッチに送り出した。 今季の徳島市立は4-4-2が基本システム。CBは桝田侑汰(3年)、森田颯佑(3年)が主に起用され、好浦も状態を見ながら多くの試合でピッチに立ってきた。そうした状況下で迎えた準決勝の鳴門高戦では森田が怪我で不在。12年連続となる選手権予選決勝進出を懸けた大一番で、好浦に出番が巡ってきた。自分が生まれ育った街の高校とあって知り合いも多く、「自分の成長を見せなあかんと思っていたんです」(好浦)。 しかし、この日の好浦はビルドアップで苦戦し、河野監督から求めていた自ら持ち運んでいくプレーをあまり出せなかった。しかも、チームは前半29分に一瞬の隙を突かれ、CKの流れから先制点を献上。CBとしては悔やんでも悔やみ切れない失点だった。 巻き返しを図るべく、好浦は攻撃面で持ち味を発揮する。1-1で迎えた後半19分、左サイドでFKを獲得すると、MF山口凜太朗(3年)がファーサイドに絶好球を送り込む。完璧なタイミングで宙を舞い、得意のヘディングで値千金の逆転弾を決めた。 このまま終われば文句なしのヒーローだったが、その直後に先制点以上に責任を感じる場面が訪れてしまう。21分、自陣にルーズボールが流れてくると、GK増谷羽竜(1年)と呼吸が合わず、お見合いをするような形に。そのまま相手FW野田快晟(3年)に得点を許し、自身のミスが同点弾の起因となった。 「GKの声を聞き間違った。(増谷は)僕にクリアと言ったらしいんですけど、本当は(そのまま)置いてと言ったみたいで…。それで連携が乱れてしまった」(好浦)。 しかし、失敗を後悔しても仕方がない。「取り返すしかない。決めるんだったら、ヘディング」。気持ちを切り替えた背番号18は29分にまたしても大仕事をやってのける。MF上田寛大(3年)の右CKに反応。高打点のヘッドを叩き込み、中学時代以来という“1試合2発”でチームを12年連続県予選決勝進出に導いた。 守備で課題を残し、ビルドアップでも反省すべき点が多かったかもしれない。だが、チームを救ったのは紛れもない事実。「あいつはほんまに高い」とキャプテンの上田が認める跳躍力を生かし、先発起用に応える活躍を見せた。そして、何より旧友の前で結果を残せたことも嬉しかったと言う。 「何人かスタメンに知っている選手がいて、途中から同じ中学校だった選手も試合に出てきた。最後に一緒のピッチでプレーできて良かった」とは好浦の言葉。9日に開催される徳島商高との決勝では友の想いも背負い、次こそは攻守両面で躍動することを誓う。 (取材・文 松尾祐希)