売上はガーナのスラムのために…ゴミを作品に変えるアーティスト長坂真護さん「100億円で1万人の雇用を」
長坂真護(まご)さんは、アフリカ・ガーナのスラム街で集めたゴミから作品をつくるアーティストだ。 【画像】1500万円で売れた、ゴミの中で微笑むガーナの少年の絵 現地を訪れた際に有毒ガスが立ち込める中、住民が先進国から出された廃棄物を集めて生計を立てていることを知り、ゴミで作ったアートでこの街の未来を変えようとしている。
■有毒ガスの中1日500円で働く住民…ゴミでスラム街を変えるアーティスト
東京都港区の雑居ビルの中にあるアトリエには、ゴミが山積みになっている。 長坂真護さんは、ゴミを作品に変えるアーティストだ。 長坂真護さん: あとちょっとで完成するひまわり。あとシーグラス、海を掃除して(出てきた)グラス。花びらと帯ですね(に使っています)。横しまの。だからそのままのガラスの色 作品の材料はゴミを使う。パソコンのキーボード、ゲームのコントローラー、折り畳み式の携帯電話、VHSのテープ。これらは、ガーナのスラム街で集めた廃棄物だ。 取り組みを作品にした映画「Still A Black Star(スティル ア ブラックスター)」の中で、長坂さんは「ごまんとある製品が世界中で売られ使われ、アグボグブロシーのようなところに最後を遂げます。その結果、地球上において最も毒性の強い場所を作り出しています。それらの廃棄物を自分の手に取り、先進国のみんなに伝えなきゃいけないと思ったんです」と語っている。 ガーナの「アグボグブロシー」は“電子機器の墓場“と呼ばれている。 ここに世界中から持ち込まれる廃棄物は年間25万トンで、スラム街の住民が電子機器を燃やして金属を採り出している。 有毒ガスの中、1日働いて収入は500円だ。 長坂真護さん: 電子機器とか携帯電話とか先進国の大量消費したもので、それを燃やして中の金属を取り出して、それと同時にガンになって死ぬ街があるというニュースを見て衝撃を受けた。自分ももしかしたら加害者かもしれないと思って
■1枚2億円の絵が売れたことも…売上の95%はスラム街のために
20代でアメリカへ渡り、路上で絵を描いていた長坂さん。収入の多くは絵ではなく、 スマートフォンやタブレットの転売だった。 長坂真護さん: 僕らが豊かになればなるほど、ゴミが増えるわけじゃないですか。そのアンバランスさですね。今できる一歩を大事にしようというので、お金も無かったので、スラムを掃除して絵にする方法を思いついて、この問題を世界に発表していくというアクションに出ました 2018年、ガーナをテーマにした個展を開催し、ゴミの中で微笑むガーナの少年の絵が1500万円で売れた。 その後、世界中で作品が評価され、これまでの最高額は1枚2億円だ。 2年前に製作した、ガスマスクをした人物の周りをアイロンや家電のゴミが取り囲む作品、価格は5000万円だ。 捨てられたバイクを使ったオブジェ、少年の髪の毛はビデオテープ。価格は2000万円だ。 長坂真護さん: 今の絵の売上は、自分の能力の20倍って計算していて。100万円のものが売れても、実際に自分の能力は5万円と見積もりを立てて 自分の報酬は売上の5%とし、残りの95%でスラム街に学校を建て、農園を作り、プラスチックのリサイクル工場を運営している。 長坂真護さん: ガーナのスラム街のみんな幸せにしてあげたいというのも横柄だけど(幸せの)大多数をおすそ分けしたいなと思っていて。だってガーナというピースが無ければ僕は無名な路上の絵描きで、今もその辺をほっつき歩いて大したことない絵を描いて